「また引っ越しが決まって、せっかく慣れた仕事を辞めることになった」「次の土地でも仕事が見つかるか不安」。夫の転勤についていくたびに、自分のキャリアがリセットされるように感じている女性は少なくありません。
転勤族の妻の仕事は、「どこに住んでも持ち運べる強み」と「自分が大切にしたい働き方の条件」を先に決めておくと、引っ越しがあっても選びやすくなります。正社員にこだわるか・辞めるかの二択ではなく、今の会社で続ける、在宅で働く、全国にある仕事に就くなど、選べる道は複数あります。
この記事では、転勤族の妻が選べる5つの働き方とその順番、在宅や地方で働くときの注意点、引っ越しがあっても立てられるキャリアプランの4ステップを、LadyCarry卒業生の体験談とあわせて紹介します。
- 転勤族の妻の仕事は「持ち運べる強み」と「働き方の条件」から選ぶ
- まず今の会社で続けられるかを確かめ、難しければ在宅・全国で求人が見つかりやすい仕事・業務委託などを「持ち運べるか」で比べる
- 転勤の周期に合わせて「次の土地での働き方」を2案用意しておくと慌てにくい

「自分にどんな仕事が向いているのか、まだよくわからない」という方は、まずLadyCarryの適職診断で今の自分の傾向をのぞいてみませんか?
いくつかの質問に答えるだけで、あなたの強みや価値観、働き方の傾向から、向いている仕事の方向性を整理できます。引っ越し先でも続けやすい仕事を考える前の、はじめの一歩として活用してみてください。
転勤族の妻の仕事は「場所に左右されにくい軸」があれば選べる

住む場所が数年ごとに変わるなかで、勤務地が決まった働き方だけから選ぼうとすると、どうしても仕事は続けにくくなります。そこで大切になるのが、住む場所が変わっても変わらない「自分の軸」(大切にしたいこと・持ち運べる強み)です。軸の決め方は、後半のキャリアプランの4ステップで紹介します。
転勤族の妻が仕事で悩みやすい3つのこと
転勤族の妻の悩みは、大きく次の3つに分けられます。
| 悩み | よくある状況 |
|---|---|
| 積み上げがリセットされる | 職場で信頼されてきたころに引っ越しが決まり、退職や転職をくり返すことになる |
| 時期や行き先が読めない | 辞令が急に出ることもあり、転職活動や資格の勉強の計画を立てにくい |
| 家のことが自分に寄りやすい | 引っ越しの手続きや子どもの転園・転校の準備を一人で抱え、仕事を後回しにしてしまう |
どの悩みが一番重いかは人によって違います。「なんとなく不安」のままにせず、自分はどこで一番困っているのかを先に言葉にすると、選ぶべき働き方が見えやすくなります。
仕事を探す前に、夫婦で話しておきたいこと
仕事の選び方は、転勤の見通しによって変わります。わかる範囲で、次のことを夫婦で話しておきましょう。
- 転勤はおおよそ何年ごとか、地域はどのくらいの範囲か(全国・ブロック内・海外もあるか)
- 単身赴任を選ぶ可能性はあるか、子どもの年齢によって考えが変わるか
- 引っ越しの準備や家事・育児を、どう分けるか
- 家計として、自分の収入をどのくらい見込みたいか
全部が決まらなくても大丈夫です。「わからないこと」と「決まっていること」を分けておくだけでも、次の土地での働き方を考えやすくなります。結婚をきっかけに働き方そのものを考え直している方は、結婚を機に仕事はどうするか迷ったときの選び方も参考にしてください。
転勤族の妻が選べる働き方5つ|まずは今の会社で続けられるかから

転勤族の妻が選べる働き方は、主に次の5つです。順番としては、まず①今の会社で続けられるかを確かめ、難しければ②〜④を「持ち運べるか」で比べ、収入より時間を優先したい時期は⑤も選択肢に入れる流れがおすすめです。
5つの働き方を比べる
| 働き方 | 続けやすさ・向いている人 |
|---|---|
| ①今の会社で続ける (異動・在宅勤務・休職制度を相談) | 今の仕事や会社が好きな人。拠点が多い会社や在宅勤務がある会社なら、引っ越しても続けられる可能性がある |
| ②在宅・フルリモートの会社に転職 | パソコンで完結する仕事の経験がある人。住む場所が変わっても同じ会社で働き続けやすい |
| ③全国で求人が見つかりやすい仕事に就く | 医療事務・介護・保育など、資格や経験が土地をまたいで評価されやすい仕事に興味がある人 |
| ④業務委託・フリーランスで働く | 得意なことを仕事として受けたい人。収入が安定するまでは時間がかかるため、まずは副業として小さく始めるのがおすすめ |
| ⑤パート・派遣でその土地ごとに働く | 子どもが小さい時期など、収入より時間の自由を優先したい人。次の土地でも探しやすい |
①今の会社で続けられるかを最初に確かめる
転勤が決まったら、すぐに退職を決めずに、まずは今の会社で続ける方法がないか確かめましょう。全国に拠点がある会社なら転居先の事業所への異動、在宅勤務がある会社ならリモートでの継続、休職制度があれば一時的に離れて戻る、といった道があるかもしれません。
厚生労働省も、企業が転勤のあり方を見直す際の参考資料として「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」を公表しています。会社によって制度は違うので、就業規則を確認したうえで、上司や人事に「続けたい気持ち」と「転居の予定」をセットで相談してみましょう。
②〜④は「持ち運べるか」で比べる
今の会社で続けるのが難しいときは、②在宅・フルリモートの会社への転職、③全国で求人が見つかりやすい仕事、④業務委託・フリーランスを比べます。比べるときの基準は、引っ越しても持ち運べるかどうかです。
- パソコンで完結する仕事の経験(事務、ライティング、デザインなど)
- 資格や専門知識(医療事務、簿記、保育士など)
- オンラインでつながっている取引先や職場
- 特定の店舗や地域のお客さまとの関係
- その職場だけで通じるやり方や社内の人脈
- 通勤できる距離が前提の働き方
在宅でできる職種を具体的に知りたい方は、リモートワークができる職種と未経験からの始め方もあわせて読んでみてください。
⑤パート・派遣を選ぶのも前向きな選択
子どもが小さい、引っ越しが続いて落ち着かないなど、今は仕事より生活を整えることを優先したい時期もあります。その時期にパートや派遣を選ぶのも、キャリアを続けるための1つの形です。
大切なのは、「次にどんな働き方に戻りたいか」を決めておくことです。パートの期間に資格の勉強をしたり、副業で小さく実績をつくったりしておけば、次の土地で選べる仕事が増えます。
在宅・地方で働くときに知っておきたい3つの注意点

在宅勤務や地方での仕事は、転勤族の妻にとって心強い選択肢です。ただし、「在宅なら続けられる」「どこでも仕事はある」と決めつけず、事前に確かめておきたいことがあります。
在宅が合うかどうかは人によって違う
在宅勤務は通勤がなく、引っ越しの影響も受けにくい働き方です。一方で、一人で黙々と作業する時間が長く、相談しにくい、仕事と生活の切り替えが難しいと感じる人もいます。
在宅の仕事を選ぶ前に、「人と話しながら働くほうが元気が出るか」「一人で集中するほうが楽か」を、これまでの経験から振り返っておきましょう。
地方は求人の数や種類が限られることもある
転居先によっては、都市部に比べて求人の数や職種が少ないこともあります。一般的な求人サイトに加えて、地域の求人が集まるハローワークインターネットサービスを引っ越し前から見ておくと、転居先でどんな仕事が多いか、給与はどのくらいかをつかめます。転勤ではなく、自分の意思で地方へ移り住むことを考えている方は、地方移住の仕事の選び方も参考にしてください。
子育て中の方は、子ども連れで相談でき、両立しやすい仕事の紹介も行っている「マザーズハローワーク」も使えます(厚生労働省の紹介ページ)。地域の求人とあわせて、在宅の求人やオンラインの仕事も並べて考えると選択肢が広がります。
収入の形が変わると、税金や社会保険の扱いも変わる
パート、業務委託、副業など、働き方によって税金や社会保険の扱いは変わります。家族の扶養に入るかどうかも、家計に関わる大事なポイントです。
働き方を変える前に、夫の勤め先の扶養の条件や、自分の収入見込みを確認しておきましょう。わからないことは、勤め先の担当者や税務署・自治体の窓口に相談すると安心です。
「どの働き方が自分に合うかわからない」ときは、LadyCarryの無料の適職診断で、強みや働き方の傾向から向いている仕事の方向性を確かめてみてください。場所が変わっても使える強みを考える手がかりになります。
転勤族妻のキャリアプランの立て方|引っ越しがあっても使える4ステップ

転勤族の妻のキャリアプランは、「10年後に〇〇になる」と1本の道を決めるより、大切にしたいことと持ち運べる強みを軸にして、住む場所が変わるたびに働き方を選び直す形が合っています。転勤の周期が短いときは、場所を選ばない働き方の準備(STEP2・3)を早めに進め、ひとつの土地に長くいられそうなときは、その土地で経験や資格を積む選択も考えてみましょう。
STEP1|仕事と暮らしで大切にしたいことを書き出す
最初に、仕事と暮らしで大切にしたいことを書き出します。「家族との時間」「自分の収入」「誰かの役に立っている実感」など、正解はありません。これまでの仕事で「楽しかったこと」「つらかったこと」を振り返ると見えてきます。
STEP2|どこでも使える強みとスキルを棚卸しする
これまでの仕事や暮らしの中で、自然とできていたことを書き出します。1つひとつは小さなスキルでも、組み合わせると「自分ならでは」の強みになります。自分の強みがよくわからない方は、自分の強みが分からないときの対処法も参考にしてください。
STEP3|次の土地での働き方を2案用意する
転勤の辞令が出てから考えると、慌てて決めてしまいがちです。「在宅で続けられたらA案、難しければ地域の仕事でB案」のように、2つの案を先に持っておくと落ち着いて選べます。
STEP4|今の土地でできる一歩を決める
最後に、次の転勤までに今の土地でできることを決めます。資格の勉強、副業で小さな実績をつくる、在宅の求人を調べるなど、1か月以内にできることにすると動きやすくなります。
書き出すときは、次のような表にまとめるとわかりやすくなります。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| STEP1|大切にしたいこと | 子どもが帰ってくる時間には家にいたい。自分の収入も少しずつ増やしたい |
| STEP2|持ち運べる強み | 事務の経験5年、Excelでの集計が得意、人の話を丁寧に聞ける |
| STEP3|次の土地での2案 | A案:事務経験を活かして在宅の事務職に転職/B案:転居先の企業で一般事務(パート・派遣)として働く |
| STEP4|今の一歩 | 今月中に在宅の事務求人を5件見て、自分に足りないスキル(Excelの関数など)を書き出す |
仕事だけでなく、暮らしやお金も含めて考えたい方は、人生設計の立て方もあわせて読んでみてください。
【体験談】自己分析から「場所に縛られにくい働き方」を選んだ卒業生

LadyMapを運営する女性向けキャリアコーチング「LadyCarry」の卒業生の中から、どこで・どう働くかを自己分析をもとに選んだ2人の例を紹介します。働き方を見直したきっかけは転勤ではありませんが、在宅や場所を選ばない働き方を考えるヒントになります。
Mさん|在宅の「監視されている感覚」がつらく、働き方の条件から選び直した
Mさん(30歳)は、ずっと在宅で働きたいと考え、派遣社員としてフルリモート(週1回出社)の事務をしていました。ところが、5分間手を動かさないと自動で「離席中」と表示されるシステムで、常に見られているように感じて心身ともに疲れてしまったといいます。
LadyCarryの受講で、生まれてから今までを振り返る「人生分析」に取り組み、コーチと一緒に自分に合う働き方を考える中で、「正社員としてガッツリ働く」よりも「アルバイトと副業を両立する」ほうが合っていると気づきました。受講が終わる直前に転職し、今はアルバイトの勤務時間が短くなった分、帰宅後にライターの勉強をしたり、愛犬との時間を増やしたりしています。
Mさんの例は、STEP1の「大切にしたいこと」にあたります。「在宅かどうか」より先に、「体と心の負担を減らしたい」「家族との時間を大切にしたい」という条件を決めたことで、自分に合う働き方を選べました。
転勤族の妻の場合も、「在宅だから続けられそう」と決める前に、「自分の心と体に負担がかからない働き方か」という条件を先に決めておくと、転居先でも働き方を選び直しやすくなります。
Mさんが働き方を選び直すまでの詳しいお話は、こちらのインタビューで読めます。

Nさん|経験を掛け合わせて、リモートで働けるフリーランスの道へ
Nさんは、エンジニアとして働いた経験があり、キャリアチェンジして採用人事になった方です。転職をくり返す中で、「自分の職場選びが一番下手」と感じていました。
受講で価値観や強みを言葉にしていく中で、エンジニアとしての経験、エンジニア採用の経験、趣味で続けてきたデザインを掛け合わせれば、自分だからこそできることがあると気づきました。力を発揮しやすい環境として「愛犬のそばで働けるリモート環境」なども整理し、採用支援のフリーランスという道を選んでいます。
Nさんの例は、STEP2の「持ち運べる強みの棚卸し」にあたります。1つひとつは並だと思っていたスキルも、掛け合わせると場所を選ばずに使える強みになります。
転勤族の妻も、これまでの仕事・趣味・暮らしの中でできるようになったことを掛け合わせて書き出しておくと、住む場所が変わっても使える強みが見えてきます。
Nさんがスキルの掛け合わせに気づいたきっかけは、こちらのインタビューで読めます。

一人で働き方を決めにくいときは

転勤のたびに働き方を考え直すのは、一人では負担が大きいものです。Mさんのように「在宅なら大丈夫」と思っていた条件が合わなかったり、Nさんのように自分の強みを「並」だと思い込んでいたりすると、選べる道を狭めてしまいます。
ここまで読んで、「持ち運べる強みと言われても思い浮かばない」「一人で書き出すと手が止まってしまう」と感じた方もいるかもしれません。そうした方に向けて、LadyCarryでは、自分を知ることをこれからの選択につなげる考え方を学べる無料オンラインセミナーを開いています。引っ越しがあっても使える「自分の軸」を整理したい方におすすめです。
- 画面オフ・マイクオフで参加できる:自宅から周りを気にせず、リラックスして聞けます
- 自分軸を見つける自己分析のコツ:今のモヤモヤを分けて、自分の判断基準を組み立てる考え方を学べます
- オリジナルワークシートつき:セミナーのあとも、自分のペースで考えを進められます
「やりたいことがまだ決まっていない」という段階でも大丈夫です。実際に、LadyCarryの1対1の個別相談に申し込んだ方の約43%は、まだ求人に応募もしていない“モヤモヤ段階”からのスタートでした。受講後の担当コーチへの満足度は99.6%です。
※LadyCarry 個別相談(無料カウンセリング・パーソナルセッション)申込フォームより集計(2025年2月〜2026年9月/実人数4,108名)、LadyCarry受講生 卒業時アンケート調査(2025年7月〜2026年9月/実人数242名)。担当コーチの満足度は「5:大変満足」「4:満足」と回答した割合
今の仕事を続けるか、転職するか、副業を始めるかなど、働き方の選択肢を広く知りたい方は、こちらの記事も確認してください。

まとめ|転勤族の妻の仕事は「軸」を決めれば選び直せる

転勤族の妻の仕事は、「どこに住んでも持ち運べる強み」と「自分が大切にしたい働き方の条件」を先に決めておくと、引っ越しがあっても選びやすくなります。
まずは今の会社で続けられるかを確かめ、難しければ在宅・全国で求人が見つかりやすい仕事・業務委託などを「持ち運べるか」で比べてみましょう。生活を優先したい時期にパートや派遣を選ぶのも、前向きな選択です。
次の転勤を待つ間に、STEP1の「大切にしたいこと」を書き出すところから始めてみてください。引っ越しのたびに「またゼロから」と感じていた不安が、少しずつ「次はどう働こう」に変わっていきます。
自分を知ることを、これからの働き方の選択につなげる方法を知りたい方は、こちらの記事も確認してください。

転勤族の妻の仕事に関するよくある質問
- 転勤族の妻は正社員を続けられませんか?
-
続けられる場合もあります。全国に拠点がある会社への異動や、在宅勤務での継続ができないか、まずは今の会社に相談してみましょう。
転職する場合も、フルリモートの求人や全国に事業所がある会社を選ぶと、次の引っ越しのあとも続けやすくなります。
- 転勤族の妻におすすめの仕事はありますか?
-
「パソコンで完結する仕事」と「全国で求人がある資格職」は、引っ越しの影響を受けにくい傾向があります。
ただし、向き不向きは人によって違います。在宅の仕事でも一人で働くのがつらいと感じる人もいるので、自分が大切にしたい働き方の条件と合わせて選びましょう。
- ブランクや短い職歴が多いと、転職で不利になりませんか?
-
転勤が理由であれば、面接で事情を正直に伝えたうえで、各職場で何を身につけたかを話せるようにしておきましょう。
短い期間でも、職場が変わるたびに新しい環境に慣れてきた経験は、伝え方しだいで強みになります。
- キャリアプランを立てても、また転勤で崩れてしまいそうです。
-
転勤族の妻のキャリアプランは、崩れる前提で立てて大丈夫です。
1本の道を決めるのではなく、「大切にしたいこと」と「持ち運べる強み」を軸に、次の土地での働き方を2案用意しておくと、転勤があっても選び直せます。
キャリアコーチ・キャリアアドバイザー。LadyCarry認定コーチ。これまでに300人以上のキャリア相談に携わる。Gallup認定ストレングスコーチの資格を保有し、強みを活かしたコーチングにも従事。20〜30代女性が「自分らしさを仕事に変える」ための支援に特化。


コメント