「職場に、目指したいと思える先輩がいない」「あんなふうになりたいと思える女性が周りに見当たらない」。これからの働き方を考えたいのに、お手本にできる人がいなくて、先がイメージできずにいませんか。
ロールモデルとは、働き方や考え方の手本にする人のことです。完璧な1人が見つからないときは、複数の人から「この部分だけ」を手本にする「部分ロールモデル」で考えると、ぐっと見つけやすくなります。
この記事は、会社の人材育成のためではなく、働く女性が自分のこれからのためにロールモデルを探す方法をまとめています。ロールモデルがいないと感じる理由、見つけ方の5ステップ、部分ロールモデルの書き出し例、LadyCarry卒業生の実例を紹介します。
- ロールモデルは、働き方や考え方の手本にする人。直接の知り合いでなくてもいい
- すべてが理想の1人を探さず、働き方・仕事内容・考え方・暮らし方の部分ごとに、複数の人から手本を集める
- 先に「自分が大切にしたいこと」を3つ書き出すと、誰のどこを手本にすればいいかが決めやすくなる

ロールモデルを探す前に、「自分は何を大切にしたいんだろう」と迷っている方は、まずLadyCarryの適職診断で今の自分の傾向をのぞいてみませんか?
いくつかの質問に答えるだけで、あなたの強みや価値観、働き方の傾向から、向いている仕事の方向性を整理できます。誰のどこを手本にしたいかを考える材料として活用してみてください。
ロールモデルとは?働く女性にとっての意味

ロールモデルとは、「こんなふうに働きたい」「この考え方を真似したい」と思える、行動や生き方の手本になる人のことです。同じ会社の先輩や上司だけでなく、友人、SNSや本で知った人など、直接話したことがない人でもかまいません。
似た言葉に「メンター」があります。違いは次のとおりです。
| ロールモデル | メンター | |
|---|---|---|
| どんな人? | 働き方や考え方の手本にする人 | 仕事やキャリアの相談にのってくれる人 |
| 関わり方 | 姿を見て真似する。直接話さなくてもいい | 直接話して、助言をもらう |
| 得られること | 「こんな選び方もある」という具体的なイメージ | 自分の状況に合わせたアドバイス |
ロールモデルがいると、次のような良いことがあります。
ロールモデルがいないと感じる3つの理由|社内にいなくても大丈夫

ロールモデルがいないと感じるのは、あなたの探し方が悪いからとは限りません。職場の環境や、手本の探し方が合っていないことも多いです。当てはまるものを確かめてみましょう。
理由1|社内に同じ働き方をしている女性が少ない
内閣府の男女共同参画白書 令和8年版によると、常用労働者100人以上の企業で役職者に占める女性の割合は、2025年で係長級25.2%、課長級16.1%、部長級9.3%です。上の役職ほど女性が少ないため、社内で「数年後の自分」に近い女性の先輩を見つけにくいのは、珍しいことではありません。社内にいなくても、社外や複数の人から部分ごとに手本を集めれば、ロールモデルは見つけられます。
時短勤務や転職経験など、自分と近い働き方をしている人が職場にいない場合も、同じように手本を探しにくくなります。
理由2|「すべてが理想の1人」を探している
仕事の成果も、家庭との両立も、人柄も、すべてが理想どおりの人はなかなかいません。1人の中にすべてを求めると、「この人はここが違う」と候補から外していくことになり、誰もいなくなってしまいます。
理由3|自分が大切にしたいことが、まだ言葉になっていない
「何を手本にしたいか」が決まっていないと、誰を見てもピンときません。たとえば「家族との時間を大切にしたい」とわかっていれば、仕事の進め方が上手な人や、働く時間を工夫している人が、手本の候補として目に入るようになります。
当てはまる理由別、次にすること
| 理由 | 次にすること |
|---|---|
| 1 | 社内に同じ働き方の女性が少ない 次の章のSTEP3「社内・社外・発信から候補を探す」で、社外にも探す範囲を広げる |
| 2 | すべてが理想の1人を探している 次の章のSTEP2「手本にしたいことを4つの部分に分ける」から試す |
| 3 | 大切にしたいことが言葉になっていない 次の章のSTEP1にある「うれしかった場面・モヤモヤした場面を書き出す」から試す |
部分ロールモデルの見つけ方5ステップ|完璧な1人を探さない

ロールモデルは、先に「自分が手本にしたいこと」を決めてから、部分ごとに人を探すと見つかりやすくなります。この考え方を、この記事では「部分ロールモデル」と呼びます。
「どんな働き方をしていたいか」「仕事で何を大切にしたいか」を3つ書き出します。たとえば「家族との時間を大切にしたい」「人の役に立っている実感がほしい」「専門的な力を身につけたい」などです。
すぐに3つ出てこないときは、これまでの仕事で「うれしかった場面」と「モヤモヤした場面」をそれぞれ5つほど書き出し、共通点を探してみましょう。うれしかった場面には大切にしたいことが、モヤモヤした場面には譲れないことが隠れています。
ほかにも、キャリアアンカーの8つのタイプや自己理解の4つの要素が手がかりになります。自分の傾向を手早く知りたいときは、LadyCarryの無料の適職診断も試してみてください。一人では言葉にしにくいときは、LadyCarryの無料オンラインセミナーで、自分を知ることをこれからの選択につなげる考え方を知ることもできます。
STEP1で書いたことをもとに、手本にしたいことを「働き方」「仕事内容」「考え方」「暮らし方」の4つの部分に分けます。1人の人にすべてを求めず、部分ごとに別の人を手本にしてかまいません。
まずは社内の別の部署や前の職場の先輩など、身近な人から探します。見つからなければ、社外の勉強会やコミュニティ、SNSや本、インタビュー記事、友人や学生時代の先輩など、社外にも範囲を広げましょう。探す場所によって見つけやすい部分が違うので、下の表も参考にしてください。
SNSやnoteでは「職種名+転職」「育休 復帰」など、自分と近い状況の言葉で検索すると、似た立場の人の発信が見つかりやすくなります。本なら著者のプロフィール、企業のサイトなら社員インタビューも手がかりになります。
今の姿だけでなく、その人がどんなことに迷い、どう選んできたかを知ると、自分の選択に置きかえやすくなります。身近な人なら話を聞いてみる、遠くの人ならインタビューや発信を読んでみましょう。
話を聞いたり読んだりするときは、「何に迷ったか」「何を基準に選んだか」「何を手放したか」の3つに注目すると、自分の選択に活かしやすくなります。
LadyMapでも、LadyCarry卒業生のインタビュー記事で、20〜30代の女性が迷いながら働き方を選んできた道のりを紹介しています。
最後に、手本にしたい部分ごとに「今月やってみること」を1つ決めます。小さく試してみて、自分に合わなければ別の人の真似に変えてかまいません。
ロールモデルを探せる場所と、見つけやすい部分
| 探す場所 | 見つけやすい部分 |
|---|---|
| 社内の別の部署・前の職場の先輩 | 働き方 仕事の進め方、時間の使い方、職場での人との関わり方 |
| 社外の勉強会・コミュニティ | 仕事内容 その仕事で求められること、スキルの身につけ方 |
| SNS・本・インタビュー記事 | 考え方 迷ったときの選び方、仕事への向き合い方 |
| 友人・学生時代の先輩 | 暮らし方 ライフイベントと仕事の両立、休日の過ごし方 |
部分ロールモデルの書き出し例|20〜30代の働く女性の場合

見つけ方の5ステップに沿って書き出した例を2つ紹介します。どちらの例も、4つの部分ごとに別の人を手本にしているのがポイントです。(実在の人物ではなく、書き方の例です)
- 大切にしたいこと:家族との時間/人の役に立つ実感/長く続けられる力
- 働き方:時短勤務の先輩。終業前に翌日の段取りをメモする習慣を真似する
- 仕事内容:経理に異動した同期。どんな勉強をしたか聞いてみる
- 考え方:本で知った女性の経営者。「完璧より、まず出す」を意識する
- 暮らし方:共働きの友人。家事を分担するときの話し合い方を聞く
- 今月やってみること:終業前の段取りメモを毎日続ける
- 大切にしたいこと:成長している実感/お客様との関わり/土日に休める働き方
- 働き方:本社の企画部に移った元店長。異動を決めた理由を聞いてみる
- 仕事内容:インタビュー記事で読んだ、販売職からマーケターになった女性。選び方を参考にする
- 考え方:同じ店の後輩。わからないことをすぐ聞く素直さを真似する
- 暮らし方:SNSで見つけた、平日の夜に学んでいる会社員。学ぶ時間の作り方を参考にする
- 今月やってみること:元店長に、異動を決めた理由を聞く時間をもらう
STEP1〜5を1枚にまとめた、書き込み用のテンプレートです。
- 大切にしたいこと(STEP1):3つまで書く
- 働き方(STEP2〜4):手本にしたい人と、真似すること
- 仕事内容(STEP2〜4):手本にしたい人と、真似すること
- 考え方(STEP2〜4):手本にしたい人と、真似すること
- 暮らし方(STEP2〜4):手本にしたい人と、真似すること
- 今月やってみること(STEP5):上の4つから1つ選ぶ
4つすべてが埋まらなくても大丈夫です。1つの部分だけでも手本が決まれば、次の一歩は具体的になります。数年後にどんな働き方をしていたいかまで言葉にしたいときは、キャリアビジョンの例文と描き方もあわせて読んでみてください。
【体験談】ロールモデルがいなくなって、自分の軸を見つけた卒業生

ここからは、LadyMapを運営する女性向けキャリアコーチング「LadyCarry」の卒業生2人の例を紹介します。2人とも、手本や支えにしていた先輩が職場を離れたことをきっかけに、自分が大切にしたいことを見つめ直しました。
2人の例からわかるのは、手本にしていた人がいなくなっても、STEP1の「自分が大切にしたいこと」がわかれば、次の一歩は自分で選べるということです。大切にしたいことがわかれば、次に誰のどこを手本にするかも決めやすくなります。ロールモデル探しの土台になるSTEP1の大切さを、2人の例で確かめてみてください。
美容部員のSさん|目標にしていた先輩が離れ、「目標から逆算して力を出せる」自分を知った
- 目標の社内資格に合格したあと「やり切ってしまった」と感じ、目標にしていた先輩も職場を離れた
- 自分の力の出し方を言葉にし、未経験から広告運用のマーケターへ
化粧品ブランドの美容部員として百貨店の売り場に立っていたSさん。学生時代に売り場で受けた接客がとても親切で、「この人みたいになりたい」と思ったのが入社のきっかけでした。入社3年目には、目標にしていた社内資格にも合格しています。
ところが、資格を取って昇格したあと、この先のキャリアアップが見えなくなり、「やり切ってしまった」と感じるようになりました。目標にしていた先輩が職場を離れ、身近なロールモデルがいなくなったことも大きかったといいます。
LadyCarryの受講で人生を振り返ると、目標に向かって突き進むことに達成感を感じてきたこと、目標を見つけて逆算して動くと力を発揮できるタイプであることが言葉になりました。そこから、成長を実感しやすいマーケティングの仕事を選び、未経験から広告運用のマーケターに転職しています。キャリアプランでは、いつか海外の会社ともやり取りができるようになりたいと描きました。
資格を取って昇格できたことに、どこか満足してしまったんですよね。キャリアアップのタイミングがこの先どこにあるのか見えなくなって、「やり切ってしまった」という感覚がありました。目標にしていた先輩が職場を離れて、身近なロールモデルがいなくなったことも大きかったと思います。目標を見つけて、そこから逆算して動くと力を発揮できるタイプなんだと言葉にできたのは、大きかったです。
Sさんが自己分析でマーケターの道を見つけるまでのお話は、こちらのインタビューで読めます。

営業職のAさん|尊敬する先輩の退職で、自分の2つの軸に気づいた
- 「数字を作れない自分には価値がない」と感じ、会社にいる理由は尊敬する先輩の存在だけだった
- 「人の役に立ち、貢献すること」「自分の世界観を表現すること」という2つの軸に気づいた
新卒で訪問販売の新規開拓営業をしていたAさんは、仕事の意義を感じられず、「数字を作れない自分には価値がない」と、自分を責めたり人と比べたりする日々を送っていました。転職を決めたきっかけは、心の支えだった尊敬する先輩の退職です。そのとき、自分がこの会社にいる理由は「その人がいるから」だけだったと気づいたそうです。
それまでのAさんは、「親が納得する道」や「周りからどう見られるか」を基準に選んできました。LadyCarryの受講で自分と向き合うなかで、「人の役に立ち、貢献すること」と「自分の世界観を表現すること」という、大事にしたい2つの軸があると気づいています。
自分がこの会社にいる理由は「その人がいるから」だけだったと気づきました。自分には大事にしたい軸が2つあると気づきました。ひとつは「人の役に立ち、貢献すること」。もうひとつは「自分の世界観を表現すること」です。自分軸がないのではなく、むしろ「やりたい・やりたくない」という軸がハッキリとあったのだと腑に落ちたときは、とても心が軽くなりました。
Aさんが自分の意思で未来を描けるようになるまでのお話は、こちらのインタビューで読めます。

ロールモデル探しを、これからの選択につなげるには

ロールモデルは、自分が大切にしたいことがわかってはじめて、「誰のどこを手本にするか」が決まります。SさんもAさんも、コーチと一緒にこれまでの経験を振り返るなかで、自分の軸を言葉にしています。
LadyCarryでは、自分を知ることをこれからの選択につなげる考え方を学べる無料オンラインセミナーを開いています。自分の強みや価値観を整理して、手本にしたい働き方を考えるヒントが得られます。画面オフ・マイクオフで聞くだけでも参加できるので、気軽にのぞいてみてください。
- 画面オフ・マイクオフで参加できる:自宅から周りを気にせず、リラックスして聞けます
- 自分軸を見つける自己分析のコツ:今のモヤモヤを分けて、自分の判断基準を組み立てる考え方を学べます
- オリジナルワークシートつき:セミナーのあとも、自分のペースで考えを進められます
自分らしい働き方やこれからのキャリアを考える方法を知りたい方は、こちらの記事も確認してください。

まとめ|ロールモデルは、1人で完璧な人でなくていい

ロールモデルとは、働き方や考え方の手本にする人のことです。完璧な1人が見つからないときは、複数の人から部分ごとに手本を集めましょう。
社内に同じ働き方の女性が少ないのは珍しいことではありません。まず自分が大切にしたいことを3つ書き出し、働き方・仕事内容・考え方・暮らし方の4つに分けて、社内・社外・発信から候補を探してみてください。真似する行動を1つ決めて試すうちに、自分らしい働き方が少しずつ形になっていきます。
ロールモデルを探しても「なりたい姿」そのものがぼんやりしている方は、こちらの記事も確認してください。

ロールモデルに関するよくある質問
- ロールモデルは1人に決めたほうがいいですか?
-
1人に決める必要はありません。働き方・仕事内容・考え方・暮らし方など、部分ごとに別の人を手本にしてかまいません。
複数の人から集めたほうが、自分の状況に合う手本が見つかりやすくなります。
- 年下や男性、会ったことのない人をロールモデルにしてもいいですか?
-
はい。手本にしたい部分があれば、年齢や性別、直接の知り合いかどうかは関係ありません。
たとえば「わからないことをすぐ聞く後輩の素直さ」も、立派な手本になります。
- SNSで見つけた人をロールモデルにしても大丈夫ですか?
-
大丈夫です。ただ、SNSで見えているのはその人の一部だけです。
今の姿だけでなく、その人がどう迷い、どう選んできたかに注目すると、自分の選択に活かしやすくなります。
- ロールモデルと同じ道を選べず、落ち込んでしまいます。
-
同じ道をたどる必要はありません。ロールモデルは、真似したい部分を取り入れるための手本です。
自分が大切にしたいことに合わない部分は、無理に真似しなくて大丈夫です。
キャリアコーチ・キャリアアドバイザー。LadyCarry認定コーチ。これまでに300人以上のキャリア相談に携わる。Gallup認定ストレングスコーチの資格を保有し、強みを活かしたコーチングにも従事。20〜30代女性が「自分らしさを仕事に変える」ための支援に特化。


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