「転職するたびに、なんだか同じところでつまずいてしまう」「条件はいいはずなのに、今の仕事にしっくりこない」。そんなモヤモヤを感じていませんか?
その原因は、自分が仕事で「どうしても譲れないもの」をはっきりさせないまま、仕事を選んでいることかもしれません。
この記事では、譲れないものを言葉にするための考え方「キャリアアンカー」について、8つのタイプと簡単なセルフチェック、仕事選びへの活かし方を紹介します。すぐに自分のタイプを確かめたい方は、24問でわかるセルフチェックから読んでみてください。
- キャリアアンカーとは、キャリアを選ぶときにどうしても譲れない価値観や欲求のこと
- 「専門を極めたい」「安定を大切にしたい」「仕事と生活のバランスを大切にしたい」など、8つのタイプがある
- 自分のタイプを知ると、求人の条件や周りの意見に振り回されず、自分の軸で仕事を選べる
キャリアアンカーとは?キャリアを選ぶときに「譲れない軸」のこと

キャリアアンカーとは、キャリアを選ぶときに、どうしても犠牲にしたくない価値観や欲求のことです。アメリカの組織心理学者エドガー・シャインが1970年代に提唱しました。
アンカー(anchor)は船の「いかり」のこと。船がいかりを下ろすとその場にとどまれるように、キャリアアンカーは、転職や異動などで環境が変わっても、自分の中で変わりにくい軸を指します。
シャインがMIT(マサチューセッツ工科大学)の卒業生のその後を長く追いかけた調査から生まれた考え方で、当初は5つ、のちに3つが加わって、現在の8つのタイプになりました。
キャリアアンカーは「3つの問い」でできている
シャインは、キャリアアンカーは次の3つの要素が組み合わさってできていると考えました。
- 何が得意か(能力・才能)
- 何がしたいか(動機・欲求)
- 何をしているときに意味や価値を感じるか(価値観)
3つが重なるところに、その人らしい軸があります。たとえば「人をまとめるのが得意」「責任ある仕事がしたい」「チームで成果を出すことに価値を感じる」が重なる人は、管理職として力を発揮しやすいタイプです。
キャリアアンカーとキャリアサバイバルの違い
シャインは、キャリアアンカーとあわせて「キャリアサバイバル」という考え方も示しています。キャリアアンカーが「自分が何を大切にしたいか」という内側の軸なのに対し、キャリアサバイバルは「職場や仕事が自分に何を求めているか」という外側からの期待を整理する考え方です。
| キャリアアンカー | キャリアサバイバル | |
|---|---|---|
| 考えること | 自分が仕事で譲れないもの | 職場や仕事が自分に求めていること |
| 向き | 自分の内側 | 自分の外側(職場・環境) |
| 役立つ場面 | 仕事や会社を選ぶとき | 今の職場での役割や働き方を見直すとき |
自分の軸だけで選ぶと、職場の期待とずれてしまうこともあります。キャリアアンカーで自分の軸を知り、キャリアサバイバルで職場の期待を整理する。両方を照らし合わせると、無理なく長く働ける場所を選びやすくなります。(参考:エドガー・H・シャイン著『キャリア・サバイバル 職務と役割の戦略的プラニング』金井壽宏訳、白桃書房)
社会人経験が浅くても考える意味はある
キャリアアンカーは、一度はっきりすると変わりにくい一方で、自分で気づくまでには働く経験が必要とされています。社会人経験が浅いうちは、まだ自覚できていないだけで「これだ」と言い切れないこともあります。
それでも、今の時点で「大切にしたいこと」を言葉にしておくと、次の転職や異動を考えるときの手がかりになります。いったん仮のキャリアアンカーを決めておき、経験を積むなかで「本当にこれが譲れないか」を確かめていきましょう。
キャリアアンカー診断|24問でわかる簡単セルフチェック

キャリアアンカーは、24の質問に点数をつけるだけでも、自分に近いタイプを確かめられます。まずは簡単なセルフチェックで候補を見つけ、気になる方はシャインの正式な質問票も試してみましょう。
24問でわかるセルフチェック
次の24の質問に、1〜5点で点数をつけてください。タイプごとに3問の合計を出すと、3〜15点になります。(シャインの正式な質問票ではなく、LadyMap編集部が作った簡易チェックです)
- 5点:とても当てはまる
- 4点:やや当てはまる
- 3点:どちらともいえない
- 2点:あまり当てはまらない
- 1点:まったく当てはまらない
- 管理職になるより、専門の仕事を続けて腕を磨きたい
- 「この分野ならあの人」と頼られるとうれしい
- 担当外の雑務が増えると、自分の仕事ができていないと感じる
- チームをまとめて、大きな成果を出すことにやりがいを感じる
- 任される責任が大きくなるほど、やる気が出る
- いずれは人を育てたり、組織を動かしたりする立場になりたい
- 細かく指示されるより、自分のやり方で進めたい
- 働く時間や場所を、できるだけ自分で決めたい
- 進め方を逐一チェックされると、やる気がなくなる
- 収入や雇用が安定していることが、何より安心できる
- 先の見通しが立たない環境は落ち着かない
- 給料が少し高いより、長く安心して働けるほうを選ぶ
- ゼロから新しいものを生み出すことにワクワクする
- いつか自分の商品やサービスを形にしてみたい
- 決まったやり方をくり返すより、新しい企画を考えたい
- 誰かの役に立っていると感じられないと、頑張れない
- 仕事を通して、社会を少しでもよくしたい
- 「ありがとう」と言われることが、いちばんのやりがいになる
- 難しい課題ほど燃える
- 簡単にできる仕事が続くと、物足りなくなる
- 人があきらめた問題を解決できると、大きな達成感がある
- 仕事のために、プライベートの時間を犠牲にしたくない
- 家族や暮らしの変化に合わせて、働き方を変えたい
- 仕事を選ぶとき、残業や休みの取りやすさを真っ先に確認する
合計点がいちばん高いタイプが、あなたのキャリアアンカーの候補です。上位2つのタイプの差が2点以内のときは、「どちらか1つしか守れないとしたら、どちらを選ぶ?」と自分に聞いてみてください。最後まで手放せなかったものが、いちばん優先したいキャリアアンカーです。
どのタイプも同じくらいの点数になった方は、STEP1の「これまでの選択を振り返る」から始めてみましょう。点数より、実際に選んできたことのほうに軸があらわれやすいからです。
正式な診断はシャインの質問票(40問)
正式なキャリアアンカー診断は、シャインが作った質問票(セルフ・アセスメント)で行います。8つのタイプごとに5問ずつ、全部で40問の質問に答え、点数が高いタイプからキャリアアンカーを探します。
質問票は、書籍『キャリア・アンカー 自分のほんとうの価値を発見しよう』(エドガー・H・シャイン著、金井壽宏訳、白桃書房)などに収録されています。インターネット上の無料診断を使う場合は、あくまで目安として参考にしましょう。
診断結果だけで決めつけない
診断の結果は、あくまで自分を知るための手がかりです。結果だけで「私はこのタイプだから、この仕事しか向いていない」と決めつけると、ほかの可能性を見落としてしまいます。
タイプの候補がわかったら、次の章で自分のタイプの特徴を読み、「確かに、あのときもこれを大切にしていた」と思い当たる経験があるかを振り返ってみましょう。経験と結びつけて考えると、自分の軸を自分の言葉で説明できるようになります。

キャリアアンカーとあわせて、自分に向いている仕事の方向性も知りたい方は、LadyCarryの適職診断も試してみてください。
いくつかの質問に答えるだけで、あなたの強みや価値観、働き方の傾向から、向いている仕事の方向性を整理できます。
キャリアアンカーの8つのタイプ|特徴と合う働き方

シャインは、キャリアアンカーを8つのタイプに分けています。セルフチェックで点数が高かったタイプを中心に、特徴と合う働き方を確認してみてください。名前は少しかたいので、「どんなことを大切にしたいタイプか」もあわせて紹介します。
| タイプ | どんなタイプ? | 合う働き方の例 |
|---|---|---|
| ① 専門・職能別コンピタンス | 専門を極めたい | 専門職、スペシャリスト |
| ② 全般管理コンピタンス | 人や組織をまとめたい | リーダー、管理職 |
| ③ 自律・独立 | 自分のペースで働きたい | 裁量の大きい仕事、フリーランス |
| ④ 保障・安定 | 安定を大切にしたい | 長く働ける会社、制度が整った職場 |
| ⑤ 起業家的創造性 | 新しいものを生み出したい | 新規事業、起業 |
| ⑥ 奉仕・社会貢献 | 人の役に立ちたい | 医療・福祉・教育、支援の仕事 |
| ⑦ 純粋な挑戦 | 難しいことに挑戦したい | 目標が高い仕事、難しい案件 |
| ⑧ 生活様式 | 仕事と生活のバランスを大切にしたい | 時短・在宅などの柔軟な働き方 |
出典:エドガー・H・シャイン『キャリア・アンカー 自分のほんとうの価値を発見しよう』(金井壽宏訳、白桃書房)をもとにLadyMap編集部作成。「コンピタンス」は能力や得意なことという意味です。
① 専門・職能別コンピタンス|専門を極めたいタイプ
特定の分野で専門性を高めることに、やりがいを感じるタイプです。「その道のプロ」として認められることがモチベーションになります。
管理職になって専門の仕事から離れるよりも、専門職として腕を磨き続けられる環境が向いています。経理、デザイナー、エンジニア、看護師など、スキルを深められる仕事で力を発揮しやすいタイプです。管理職を打診されて迷っている方は、管理職になりたくないときの考え方と選択肢も参考にしてください。
合わない環境のサイン:雑務ばかりで専門の仕事ができない、異動で専門と関係ない部署に回されると、モヤモヤを感じやすくなります。
② 全般管理コンピタンス|人や組織をまとめたいタイプ
チームや組織をまとめ、責任ある立場で成果を出すことにやりがいを感じるタイプです。
任される範囲が広がるほど意欲が高まるので、リーダーや管理職を目指せる環境が向いています。求人を見るときは、女性の管理職がいるか、若いうちから任される仕事があるかも確かめておきましょう。
合わない環境のサイン:年齢や性別で昇進の道が限られている、何年たっても同じ仕事しか任されない職場では、やる気を保ちにくくなります。
③ 自律・独立|自分のペースで働きたいタイプ
自分のやり方やペースで仕事を進めたいタイプです。
会社員でも、裁量が大きく、働く時間や進め方を自分で決められる仕事が向いています。フリーランスや業務委託も選択肢になります。ただし「在宅勤務」のような条件がそろっていても、進め方を細かく管理される職場では満たされないことがあります。
合わない環境のサイン:細かいルールや指示が多い、すべてに上司の確認が必要な職場では、窮屈に感じやすくなります。
④ 保障・安定|安定を大切にしたいタイプ
安定した収入や雇用、先の見通しが立つことを大切にするタイプです。
長く安心して働ける会社や、福利厚生・評価制度が整った職場が向いています。「安定志向=挑戦できない人」ではありません。安心できる土台があるからこそ、長く力を発揮できるタイプです。
合わない環境のサイン:業績や評価で給料が大きく変わる、組織の変化が激しい職場では、不安を感じやすくなります。
⑤ 起業家的創造性|新しいものを生み出したいタイプ
新しい商品やサービス、事業を自分の手で生み出すことにやりがいを感じるタイプです。
起業だけでなく、会社の新規事業や、立ち上げの段階のチームでも力を発揮できます。副業で小さく試してみるのもひとつの方法です。
合わない環境のサイン:決まった手順をくり返すだけの仕事や、新しい提案が通りにくい職場では、物足りなさを感じやすくなります。
⑥ 奉仕・社会貢献|人の役に立ちたいタイプ
人の役に立つことや、社会をよくすることにやりがいを感じるタイプです。
医療・福祉・教育などの仕事のほか、一般企業でも「誰の役に立っているか」を実感できる仕事を選ぶと、満足度が高まりやすくなります。
合わない環境のサイン:売上や数字だけを追いかける仕事では、「何のために働いているんだろう」と感じやすくなります。
⑦ 純粋な挑戦|難しいことに挑戦したいタイプ
難しい課題や、ほかの人が解決できない問題に挑むことにやりがいを感じるタイプです。
目標が高い仕事や、新しいことに挑戦し続けられる環境が向いています。
合わない環境のサイン:慣れた仕事のくり返しが続くと、成長できない焦りを感じやすくなります。
⑧ 生活様式|仕事と生活のバランスを大切にしたいタイプ
仕事と、家族や趣味などのプライベートのバランスを大切にするタイプです。
結婚や出産、介護などのライフイベントが、このタイプだと自覚するきっかけになることもあります。時短勤務や在宅勤務など、暮らしに合わせて働き方を変えられる会社が向いています。
合わない環境のサイン:残業や休日出勤が多い、働き方の相談がしにくい職場では、仕事を続けること自体が負担になりやすくなります。
「④保障・安定」と「⑧生活様式」は、どちらも「無理なく働きたい」に見えるので、混ざりやすいタイプです。
見分けるときは、「給料が少し下がっても残業がない仕事」と「残業はあるけれど雇用や収入が安定している仕事」の、どちらを選ぶかを考えてみてください。前者を選ぶなら⑧生活様式、後者を選ぶなら④保障・安定に近い軸です。
キャリアアンカー(価値観)に加えて、強みや働き方の傾向も知っておくと、仕事を選ぶ材料が増えます。LadyCarryの無料の適職診断で、向いている仕事の方向性を確かめてみてください。
キャリアアンカーを仕事選びに活かす3ステップ

キャリアアンカーの候補がわかったら、次の3ステップで今の仕事や次の選択に当てはめてみましょう。
就職先を選んだ理由、仕事で満足したとき・不満を感じたときを書き出します。「なぜそれを選んだのか」「何がつらかったのか」を深掘りすると、自分が繰り返し大切にしてきたものが見えてきます。振り返りの方法は、自己分析のやり方6STEPも参考にしてください。
セルフチェックと振り返りをもとに、いちばん譲れないものを1つ決めます。2番目に大切なものもメモしておくと、仕事を比べるときに役立ちます。
「⑧生活様式」のようなタイプ名だけでなく、「17時には帰れて、家族との時間を守れる働き方がしたい」のように、自分の言葉で書いておくのがポイントです。
今の仕事は、キャリアアンカーを満たせているかを確認します。満たせていないなら、異動や働き方の相談で変えられるのか、転職が必要なのかを考えましょう。
求人を見るときは、次の表のポイントを確かめると、キャリアアンカーに合う職場かどうかを判断しやすくなります。
タイプ別:求人票と面接で確かめたいポイント
| タイプ | 求人票で見るところ | 面接で聞いてみたいこと |
|---|---|---|
| ① 専門 | 仕事内容の範囲、専門職としてのキャリアパス、研修・資格取得の支援 | 「専門性を深めていく人は、どんなキャリアを歩んでいますか?」 |
| ② 管理 | 昇進の実績(女性の管理職がいるか)、評価制度 | 「リーダーを任されるのは、入社何年目くらいの方が多いですか?」 |
| ③ 自律 | 裁量の範囲、フレックス・リモートの有無、承認の流れ | 「仕事の進め方は、どこまで個人に任されていますか?」 |
| ④ 安定 | 雇用形態、平均勤続年数、昇給の仕組み、福利厚生 | 「長く働いている方は、どんな理由で続けていると思いますか?」 |
| ⑤ 起業 | 新規事業の有無、提案制度、副業の可否 | 「社員の提案から始まった事業やサービスはありますか?」 |
| ⑥ 奉仕 | 事業が誰の役に立っているか、利用者・顧客との接点 | 「この仕事で、お客様から感謝されるのはどんな場面ですか?」 |
| ⑦ 挑戦 | 目標の高さ、任される案件の難しさ、挑戦できる制度 | 「入社後、最初に任される仕事はどのくらいの難しさですか?」 |
| ⑧ 生活 | 平均残業時間、有給取得率、時短・在宅勤務の利用実績 | 「育児や介護と両立している方は、どのくらいいますか?」 |
求人票の言葉だけで判断せず、気になるところは面接で具体的に聞いてみましょう。聞き方に迷ったら、「長く働くうえで大切にしたいので」と理由を添えると、角が立ちにくくなります。
「在宅ワーク」「残業なし」のような条件は、軸を満たすための手段のひとつです。条件がそろっていても、軸が満たされなければ、また同じところでつまずいてしまいます。
LadyCarryの受講生にも、「在宅で働きたい」という希望をかなえてフルリモートの仕事に就いたものの、チャットの在席状況で常に見られているような働き方が合わず、体調を崩してしまった方がいます。その後、自己分析で自分に合う働き方を見つめ直し、アルバイトと副業ライターを組み合わせる働き方を選びました。
本当に大切だったのは「在宅」という条件ではなく、「自分のペースで働けること」だったのかもしれません。

キャリアプランは「これからどんなキャリアを歩みたいか」という計画、キャリアパスは「会社の中でどんな道筋で成長していくか」という道すじです。
一方でキャリアアンカーは、計画や道すじを決めるときの土台になる「自分の軸」です。キャリアアンカーを知ってからキャリアプランを考えると、自分に合った計画を立てやすくなります。
キャリアプランの立て方は、キャリアプランの作成ステップと例文の記事で詳しく紹介しています。
キャリアアンカーを含めて、自分を知ることからこれからの選択までを考える流れは、キャリア設計とは?自分らしい働き方・これからのキャリアを考える方法で解説しています。

【実例】「条件」だと思っていたものが、譲れない軸だった

譲れない軸に気づくと、仕事の選び方は大きく変わります。LadyMapを運営する女性向けキャリアコーチング「LadyCarry(ラディキャリ)」の受講生インタビューを読み返すと、安定や暮らしとのバランスを自分の軸に挙げる方が多く見られます。ここでは、そのうち2人の例を紹介します。
2人ともキャリアアンカー診断を受けたわけではありませんが、見つけた軸は8つのタイプでいうと「④保障・安定」や「⑧生活様式」に近いものです。タイプ名を、自分の言葉に言いかえるとどうなるかの参考にしてください。
「安定性」は最低限の条件ではなく、自分の軸だった(Aさん)
補助金支援の事務をしていたAさん。休日も私用の携帯に仕事の連絡が入り、ボーナスや昇給の見込みもないことに、将来への不安を感じていました。
受講前のAさんは、「安定性」を仕事選びの最低限の条件のひとつとして見ていました。ところが、幼少期からの人生を振り返るワークを通して、安定性は自分がずっと無意識に大切にしてきた価値観だったと気づきます。
「安定性」をはっきり軸に据えて転職活動を進めた結果、今は給料が上がり、勤務時間も短い職場で働いています。条件のひとつだと思っていたものが、実はキャリアアンカーだった例です。

「平穏」という価値観に気づき、働き方を選び直した(Kさん)
新卒から10年間、歯科助手として働いていたKさん。日々の業務負担が重く、上司の機嫌に職場が振り回される環境に疲れていましたが、「仕事がつらいのは自分の逃げなのか、仕事自体が合っていないのか」さえ判断がつかない状態でした。冒頭で紹介した「なぜかしっくりこない」の正体がわからない状態です。
価値観分析や才能分析に取り組むなかで、働くうえで最も優先したい価値観が「平穏」だと気づきます。Kさんにとっての平穏とは、波風が立たず、周囲と協調しながら働ける環境のこと。軸が定まったことで、企業選びの基準がはっきりし、志望動機や自己PRも自分の言葉で書けるようになりました。
現在は未経験の事務職を目指して職業訓練校に通いながら、「平日は17時半に退社して、夜の時間をゆっくり過ごしたい」という働き方の実現に向けて動いています。

キャリアアンカーを確かめた結果、「転職しない」という答えになることもあります。
接客の仕事そのものは好きだと気づき、今の職場に残ることを選んだ方や、自分が大事にしているのは「平等であること」だと言葉にでき、それがかなう前の職場に戻ることを選んだ方もいます。合わなかったのが仕事そのものではなく環境だったと気づくと、選べる道は広がります。
詳しくは、今の職場に残ることを選んだOさんのインタビューと、保育の仕事に戻ったYさんのインタビューで読めます。
自分の軸を仕事選びにつなげたいときは

セルフチェックをしても「どれも当てはまる気がする」「いちばんを決められない」と感じることもあります。自分にとって当たり前すぎる価値観は、自分ではなかなか気づけないからです。Aさんも、最初は「安定性」をただの条件だと思っていました。
LadyCarryの卒業時アンケートでは、受講生の91.7%(242名中222名)が、「理想の実現のための行動が明確になった」「自分軸で判断し行動できているイメージを持つことができている」のいずれかを選んでいます。
※LadyCarry受講生 卒業時アンケート調査(2025年7月〜2026年9月/実人数242名)。「卒業時の状態」を問う設問で「理想の実現のための行動が明確になった」「自分軸で判断し行動できているイメージを持つことができている」のいずれかを選んだ受講生の割合
また、求人票の見方がわかっても、「自分の場合、どこまでなら妥協していいのか」で迷う方も多いはずです。LadyCarryの無料オンラインセミナーでは、自己理解した自分をこれからの選択につなげる、キャリア設計の考え方を紹介しています。自分の軸を仕事選びに活かしたい方は、まずはセミナーで考え方のコツを知るところから始めてみてください。
「やりたいことがまだ決まっていない」という段階でも大丈夫です。実際に、LadyCarryの1対1の個別相談に申し込んだ方の約43%は、まだ求人に応募もしていない“モヤモヤ段階”からのスタートでした。受講後の担当コーチへの満足度は99.6%です。
※LadyCarry 個別相談(無料カウンセリング・パーソナルセッション)申込フォームより集計(2025年2月〜2026年9月/実人数4,108名)、LadyCarry受講生 卒業時アンケート調査(2025年7月〜2026年9月/実人数242名)。担当コーチの満足度は「5:大変満足」「4:満足」と回答した割合
まとめ:キャリアアンカーを知って、自分の軸で仕事を選ぼう

キャリアアンカーとは、キャリアを選ぶときにどうしても譲れない価値観や欲求のことです。「専門を極めたい」「安定を大切にしたい」「仕事と生活のバランスを大切にしたい」など、8つのタイプがあります。
転職しても同じところでつまずく、条件はいいのにしっくりこない。そんなときは、仕事が自分のキャリアアンカーを満たしていないのかもしれません。まずはセルフチェックで自分に近いタイプを確かめ、いちばん譲れないものを言葉にして、今の仕事や次の選択と照らし合わせてみましょう。
自分の強みや価値観をもっと深く知りたい方は、自己理解とは?自分を知る4つの要素と納得できるキャリアの見つけ方もあわせて読んでみてください。
キャリアアンカーに関するよくある質問
- キャリアアンカーは途中で変わることもありますか?
-
キャリアアンカーは、一度はっきりすると変わりにくいとされています。ただし、社会人経験が浅いうちは、本当のキャリアアンカーにまだ気づけていないこともあります。結婚や出産などで生活が大きく変わり、優先したいことが変わったように感じたら、「軸が変わった」のではなく「本来の軸が見えてきた」と考えて、節目ごとに見直してみましょう。
- キャリアアンカーが複数当てはまる場合はどうすればいいですか?
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「どれか1つしか守れないとしたら?」と考えて、優先順位をつけてみましょう。最後まで手放せなかったものが、いちばん優先したいキャリアアンカーです。軸が2つあること自体は問題ありません。LadyCarryの受講生にも、「人の役に立つこと」と「自分の世界観を表現すること」の2つを大切にしたい軸として見つけた方がいます(インタビューを読む)。
- キャリアアンカー診断は無料でできますか?
-
この記事のセルフチェックのように、無料で試せる簡易的な診断はあります。正式な質問票は、書籍『キャリア・アンカー 自分のほんとうの価値を発見しよう』などに収録されています。どちらの場合も、結果は目安として使い、これまでの経験と照らし合わせて考えることが大切です。
- キャリアアンカーは転職活動でどう活かせますか?
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求人を選ぶときの判断基準になるほか、志望動機や面接で「仕事で大切にしたいこと」を自分の言葉で伝えやすくなります。自分のキャリアアンカーに合う会社を選ぶと、入社後のミスマッチも防ぎやすくなります。
キャリアコーチ・キャリアアドバイザー。LadyCarry認定コーチ。これまでに300人以上のキャリア相談に携わる。Gallup認定ストレングスコーチの資格を保有し、強みを活かしたコーチングにも従事。20〜30代女性が「自分らしさを仕事に変える」ための支援に特化。


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