「復帰したら、今までのように働けるか不安」「子どもとの時間を考えると、今の会社では続けられない気がする」。育休中にこれからの働き方を考えて、転職が頭に浮かぶ女性は少なくありません。
育休明けの転職は可能ですが、後悔しないためには「何を優先したい転職なのか」を先に決め、育休中は準備にあて、保育園やお金・制度の条件を確かめてから動くことが大切です。勢いで決めるより、順番を守るほうが選べる道は広がります。
この記事でいう「育休明けの転職」には、①育休中に転職活動をして、元の職場に戻らずに新しい会社へ移るパターンと、②一度元の職場に復帰してから転職するパターンの2つがあります。制度や保育園への影響が大きいのは①なので、どちらの話かを分けて紹介します。
この記事では、育休明けの転職で気をつけたい制度のこと、転職したくなる理由ごとに先に確かめたいこと、優先順位の決め方、動くタイミングの比べ方、転職先選びのチェックリストを、LadyCarry卒業生の体験談とあわせて紹介します。
- 育休明けの転職はできるが、育休の給付は「職場復帰」が前提で、保育園の条件も変わることがある
- 転職の前に「今の会社で変えられること」と「転職でしか変えられないこと」を分ける
- 子育て期間に優先したいことを3つまでに絞ると、転職先を選びやすくなる

「子育てしながら、どんな仕事が自分に合うのかわからない」という方は、まずLadyCarryの適職診断で今の自分の傾向をのぞいてみませんか?
いくつかの質問に答えるだけで、あなたの強みや価値観、働き方の傾向から、向いている仕事の方向性を整理できます。転職するかどうかを決める前の、はじめの一歩として活用してみてください。
育休明けの転職はできる|ただし「職場復帰が前提」の制度に注意

育休中や育休明けに転職活動をすること自体はできます。ただし、育休まわりの給付は「今の職場に復帰すること」が前提で、保育園の利用条件も働き方によって変わるため、動く前に確かめておく必要があります。特に注意したいのは、復帰せずに新しい会社へ移る①のパターンです。②のパターンでも、保育園や入社後の有休・制度の確認は同じように必要です。
育児休業給付は「職場復帰」が前提の給付
厚生労働省の「Q&A~育児休業等給付~」では、育児休業給付は育休が終わったあとの職場復帰を前提にした給付だと説明されています。そのため、育休を始める時点で退職が決まっている場合は、給付の対象になりません。
一方で、育休の途中で退職することになった場合は、今の取り扱いでは退職日までが支給の対象になり、それまでに受け取った給付を返す必要もないとされています。①のパターンで動くときは、退職を決めた段階で勤め先やハローワークに条件を確認しておきましょう。
保育園の利用条件が変わることがある
保育園の入園や継続の条件は、自治体によって違います。特に①のパターンで退職日と入社日がずれる場合は注意が必要です。退職して求職中になると、利用できる期間が決まっていたり、入園の審査での扱いが変わったりすることがあります。
退職日と入社日のあいだに空白ができると、保育園の継続に影響する場合があります。転職を考え始めたら、早めに住んでいる自治体の保育担当の窓口に確認しましょう。
転職してすぐは、有休や制度が使えないことがある
年次有給休暇は、法律上、入社から6か月続けて働き、決められた日数の8割以上出勤した人に付与されるのが基本です(北海道労働局の解説)。会社によっては入社直後から付与されることもありますが、そうでない場合、子どもの急な発熱で休むと欠勤扱いになることもあります。
時短勤務や在宅勤務などの社内制度も、会社によって使える条件が違います。「制度があるか」だけでなく、「入社してすぐ使えるか」まで確かめておくと安心です。
育休明けに転職したくなる理由と、先に確かめたいこと

育休明けに転職したくなる理由は、人によってさまざまです。理由によっては、転職しなくても今の会社で変えられることがあります。先に「今の会社で試せること」を確かめ、それでも難しいときに転職を考える順番がおすすめです。
理由ごとに「今の会社で試せること」を確かめる
| 転職したくなる理由 | まず今の会社で試せること |
|---|---|
| 勤務時間や通勤が子育てと合わない | 時短勤務、始業時刻の変更、在宅勤務などが使えないか人事に相談する |
| 復帰後の仕事内容に納得できない | 上司に「任せてほしい仕事」と「今できる働き方」をセットで伝える |
| 子育てへの理解がない職場だと感じる | 部署の異動ができないか、相談できる人や窓口がないか確かめる |
| この先のキャリアが見えない | 子育てが落ち着いたあとに、どんな仕事をしていたいかを書き出してみる |
2024年には育児・介護休業法が改正され、子どもの年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置が拡充されました。2025年4月から段階的に施行されています(厚生労働省「育児・介護休業法について」)。今の会社でも使える制度が増えている可能性があるので、まず就業規則を見直したり、人事に聞いたりしてみましょう。
「転職でしか変えられないこと」が残ったら転職を考える
今の会社で相談しても変わらないこと、たとえば「会社としてやりたい仕事がない」「通勤時間がどうしても長い」などが残ったら、転職を本格的に考えるタイミングです。
復帰後に責任のある仕事を任せてもらえない状態に悩んでいる方は、マミートラックとは?育児も仕事も諦めないキャリアの築き方もあわせて読んでみてください。
育休明けの転職で後悔しないための優先順位の決め方

育休明けの転職でよくある後悔は、「時間の融通はきくけれど、やりがいがない」「収入は上がったけれど、子どもとの時間が減った」のように、大切にしたいことの順番があいまいなまま決めてしまうことです。次の3つのステップで、優先順位を決めておきましょう。
不安なこと、不満なこと、これからやりたいことを、思いつくまま書き出します。
「残業ができない」「仕事内容が物足りない」など、具体的な場面で書くのがコツです。
「子どもとの時間」「収入」「やりがい」「通勤のしやすさ」「スキルアップ」などから、今のあなたにとって大切なものを3つまで選びます。
全部を同時に満たそうとすると、決められなくなります。
選んだ3つをもとに、転職先に求める条件を「譲れない」「今は譲れる」に分けます。
子どもが大きくなれば、優先順位は変わってもかまいません。
条件を分けると、たとえば次のようになります。
- 18時には保育園のお迎えに間に合う
- 子どもの急な発熱で休みやすい
- 通勤は片道40分以内
- 年収が少し下がる
- 役職や昇進のスピード
- 業界や職種が今と同じであること
仕事だけでなく、暮らしやお金も含めて長い目で考えたい方は、人生設計の立て方も参考にしてください。
育休明けの転職はいつ動く?「復帰してから」と「育休中」を比べる

育休明けの転職は、「一度復帰してから動く」か「育休中に動く」かで、メリットと注意点が変わります。迷ったら、育休中は情報集めと自分の整理にあて、復帰して働き方を試してから応募するかを決める順番がおすすめです。
2つのタイミングを比べる
メリット:子育てと仕事を両立する生活を実際に試してから決められる。保育園も継続しやすく、収入が途切れない。
注意点:仕事と育児で忙しく、転職活動の時間をとりにくい。
メリット:時間をとりやすく、面接の日程も調整しやすい。
注意点:給付や保育園の条件に影響することがある。復帰後の生活を試さないまま決めることになる。
育休中にやっておきたい3つの準備
応募するかどうかに関係なく、育休中にできる準備があります。
なお、準備だけでなく育休中に応募・選考まで進める場合(①のパターン)は、「準備→応募・面接→内定→今の会社への退職の申し出→保育園の手続きの確認」の順に進みます。退職の申し出の時期は就業規則で決まっていることが多いので、内定が出る前に確認しておくと慌てずにすみます。
面接の日時や、オンラインで受けられるかを相談できるかも聞いてみましょう。また、保育園の手続きでは、新しい勤め先に就労証明書を書いてもらう必要があることが多いため、自治体の提出期限を早めに確かめておくと安心です。
産休・育休明けに辞めるかどうか自体を迷っている方は、こちらの記事で選択肢と判断のポイントを確認してください。

転職先を選ぶ前に、自分の強みや働き方の傾向を知っておくと、優先順位を決めやすくなります。LadyCarryの無料の適職診断で、向いている仕事の方向性を確かめてみてください。
育休明けの転職先選びで確かめたいチェックリスト

転職先を選ぶときは、求人票の「制度あり」だけで判断せず、実際に子育て中の人がどう働いているかまで確かめることが大切です。面接や会社説明、口コミなどで、次の点を確認してみましょう。
- 時短勤務・フレックス・在宅勤務が、子育て中の社員に実際に使われている
- 子どもの急な発熱などで休むとき、チームで仕事をカバーし合う仕組みがある
- 入社後、有給休暇がいつから使えるかがわかっている
- 時短勤務などの社内制度を、入社してすぐ使えるかがわかっている
- 保育園の送り迎えに間に合う通勤時間・勤務時間になっている
このうち「有給休暇がいつから使えるか」「社内制度を入社してすぐ使えるか」「お迎えに間に合う勤務時間か」の3つは、満たしていないと両立が難しくなるため、必ず確かめましょう。わからない場合は、面接や内定後の面談で聞いてから判断します。「入社して間もない時期に子どもの急な発熱があったとき、チームではどうフォローし合っていますか」のように、働き方を具体的に聞くと答えてもらいやすくなります。3つがそろったうえで、残りの2つにも当てはまる会社から優先して検討するのがおすすめです。
子育て中の仕事探しでは、子ども連れで相談でき、両立しやすい仕事の紹介も行っている「マザーズハローワーク」も使えます(厚生労働省の紹介ページ)。
【体験談】子育てをしながら、家族との時間を優先して転職したFさん

LadyMapを運営する女性向けキャリアコーチング「LadyCarry」の卒業生から、子育てをしながら働き方を変えたFさんの例を紹介します。育休明けのタイミングでの転職ではありませんが、「子どもとの時間」を軸に優先順位を決めて転職先を選んだ流れは、育休明けの転職を考えるヒントになります。
Before|帰宅が21時を過ぎ、家族との時間がとれなかった
Fさんは、前職で帰宅が21時を過ぎることもあり、家のことがままならない日も多かったといいます。「家族との時間を大切にしたい」と思いながらも、「自分にどんな仕事ができるんだろう」という不安が大きく、なかなか動き出せずにいました。
プロセス|人生分析とキャリア分析で、大切にしたいことを言葉にした
LadyCarryの受講では、幼少期から振り返る「人生分析」と、これまでのキャリアを棚卸しする「キャリア分析」に取り組みました。過去のエピソードから自分の気持ちや行動の理由を掘り下げるなかで、適職のイメージがはっきりしていったそうです。
After|娘との時間が増え、昔の夢に近い仕事へ
Fさんは長年の願いだった「子どもと関われる仕事」へ転職しました。今は午前中に時間がとれるようになり、娘さんと向き合える時間が増えたといいます。
Fさんの例は、優先順位の決め方のSTEP2「子育て期間に優先したいことを選ぶ」にあたります。「家族との時間」をいちばん大切にすると決めたことで、働き方と仕事内容の両方に納得できる転職につながりました。
Fさんが転職を決めるまでの詳しいお話は、こちらのインタビューで読めます。

一人で優先順位を決めにくいときは

育休中は子どもとの毎日で手一杯になり、自分のことを考える時間をとりにくいものです。「何を優先したいか」が自分でもわからないまま転職を決めると、また同じ悩みをくり返してしまうこともあります。復帰して両立を続けるなかで疲れを感じている方は、ワーママが疲れたときの気持ちの整理と試したいことも参考にしてください。
「転職するか、今の会社に戻るか、一人では決めきれない」「優先したいことが多すぎて絞れない」という方に向けて、LadyCarryでは、自分を知ることをこれからの選択につなげる考え方を学べる無料オンラインセミナーを開いています。この記事のSTEP2・3で迷った「何を優先するか」を、自分の判断基準として整理するヒントが得られます。
- 画面オフ・マイクオフで参加できる:自宅から周りを気にせず、リラックスして聞けます
- 自分軸を見つける自己分析のコツ:今のモヤモヤを分けて、自分の判断基準を組み立てる考え方を学べます
- オリジナルワークシートつき:セミナーのあとも、自分のペースで考えを進められます
「やりたいことがまだ決まっていない」という段階でも大丈夫です。実際に、LadyCarryの1対1の個別相談に申し込んだ方の約43%は、まだ求人に応募もしていない“モヤモヤ段階”からのスタートでした。受講後の担当コーチへの満足度は99.6%です。
※LadyCarry 個別相談(無料カウンセリング・パーソナルセッション)申込フォームより集計(2025年2月〜2026年9月/実人数4,108名)、LadyCarry受講生 卒業時アンケート調査(2025年7月〜2026年9月/実人数242名)。担当コーチの満足度は「5:大変満足」「4:満足」と回答した割合
転職だけでなく、今の会社で続ける・副業を始めるなど、働き方の選択肢を広く知りたい方は、こちらの記事も確認してください。

まとめ|育休明けの転職は「優先順位」と「順番」で後悔を減らせる

育休明けの転職は可能ですが、後悔しないためには「何を優先したい転職なのか」を先に決め、育休中は準備にあて、保育園やお金・制度の条件を確かめてから動くことが大切です。
まずは今の会社で試せることを確かめ、それでも変わらないことが残ったら転職を考えましょう。転職先を選ぶときは、「制度があるか」だけでなく、子育て中の人が実際にどう働いているかまで見ておくと安心です。
育休中の今だからこそ、STEP1の「なぜ転職したいのか」を書き出すところから始めてみてください。復帰への不安が、「自分はこう働きたい」という言葉に少しずつ変わっていきます。
自分を知ることを、これからの働き方の選択につなげる方法を知りたい方は、こちらの記事も確認してください。

育休明けの転職に関するよくある質問
- 育休中に転職活動をしてもいいのですか?
-
転職活動をすること自体はできます。
ただし、復帰せずに退職する場合は、給付や保育園の条件に影響することがあります。退職を決める前に、勤め先・ハローワーク・自治体に確認しましょう。
- 育休明けすぐの転職は、面接で不利になりませんか?
-
子育て中であることだけで不利になるとは限りません。大切なのは、なぜ転職したいのか、入社後にどう働きたいのかを自分の言葉で説明できることです。
「優先したいこと」と「譲れない条件」を整理しておくと、面接でも落ち着いて伝えられます。
- 時短勤務のまま転職できますか?
-
時短勤務ができる求人もありますが、会社によって対象になる条件や、入社後いつから使えるかが違います。
応募する前に、求人票や面接で「入社直後から時短勤務ができるか」を確認しておきましょう。
- 転職するより、一度仕事を辞めたほうがいいでしょうか?
-
どちらがよいかは、家計や保育園の状況、これからどう働きたいかによって変わります。
辞めるかどうかで迷っている方は、産休明けに仕事を辞めたいと思ったときの選択肢と判断ポイントも参考にしてください。
キャリアコーチ・キャリアアドバイザー。LadyCarry認定コーチ。これまでに300人以上のキャリア相談に携わる。Gallup認定ストレングスコーチの資格を保有し、強みを活かしたコーチングにも従事。20〜30代女性が「自分らしさを仕事に変える」ための支援に特化。


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