「AIが進んだら、事務の仕事はなくなるのかな」「このまま事務職を続けて大丈夫かな」。そんなふうに不安になっていませんか?
事務職がすぐになくなるわけではありませんが、入力や書類づくりのような決まった作業はAIに置きかわりやすくなるため、「AIを使って仕事を良くする」「人との調整を担う」「専門分野を持つ」などの方向に強みを広げておくと、長く働きやすくなります。
この記事では、AIで変わる事務の仕事と人に残る仕事、今の仕事を見直すセルフチェック、事務職のキャリアアップ4つの道と選び方を、LadyCarry卒業生の例とあわせて紹介します。
- 事務職は、AIの影響を受けやすい仕事の1つとされるが、仕事がなくなるより「仕事の中身が変わる」可能性が高いとされている
- 決まった作業が中心の人ほど、今のうちに「改善・調整・専門性」のどれかに強みを広げておくと安心
- キャリアアップの道は4つ。まず今の職場で広げ、物足りなければ専門の事務や別の職種へと順番に考える

「事務職の将来が不安だけど、自分に何が向いているのかわからない」という方は、LadyCarryの適職診断で今の自分の傾向をのぞいてみませんか?いくつかの質問に答えるだけで、あなたの強みや価値観、働き方の傾向から、向いている仕事の方向性を整理できます。
事務職に将来性はない?AIで変わる仕事・人に残る仕事

事務職の将来性は「なくなる」より「中身が変わる」と考えるのが現実的です。決まった手順の作業はAIや自動化に置きかわりやすい一方で、人との調整や、状況に合わせた判断が必要な仕事は人に残りやすいからです。
事務職はAIの影響を受けやすい仕事の1つ
国際労働機関(ILO)が2025年に公表した報告では、世界で働く人の約4人に1人が、生成AI(文章や画像をつくるAI)の影響を受ける可能性がある仕事に就いているとされています。なかでも事務の仕事は、影響を受ける度合いがもっとも高い職業のグループとされました(参考:ILO「Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure」)。
同じ報告では、影響をもっとも強く受ける区分に入る人の割合は、女性が4.7%、男性が2.4%と、女性のほうが高いことも示されています。一方で、生成AIの影響は、仕事が消えることより「仕事の中身が変わること」として表れる可能性が高いとも述べられています。
AIで変わりやすい仕事・人に残りやすい仕事
事務の仕事を作業ごとに分けてみると、変わりやすいものと残りやすいものが見えてきます。
| AIで変わりやすい作業 | 人に残りやすい作業 |
|---|---|
| 決まった形式のデータ入力・書き写し | 入力のルールや流れを見直して、ミスを減らす工夫 |
| 決まった形式の書類やメールの作成 | 相手や状況に合わせた文面の調整・言いにくいことの伝え方 |
| よくある問い合わせへの返信 | よくある質問に当てはまらない相談への対応 |
| 数字の集計 | 集計した数字から気づいたことを、上司やチームに伝える |
左の作業がなくなるというより、左の作業をAIに任せて、右の作業に時間を使えるようになるイメージです。
今の事務の仕事を見直すセルフチェック

まずは、今の自分の仕事が「変わりやすい作業」と「残りやすい作業」のどちらに寄っているかを確かめてみましょう。当てはまるものにチェックを入れてみてください。
- 1日の仕事の半分以上が、入力や書き写しなどの決まった作業だ
- マニュアルどおりに進める仕事がほとんどで、自分で工夫する場面が少ない
- 社内外の人と調整したり、相談に乗ったりする場面が少ない
- 新しいツールやAIを、仕事で試したことがない
- 3年前と比べて、任されている仕事がほとんど変わっていない
- 自分の強みを聞かれても、言葉にできない
セルフチェックの結果別|次に読むところ
| 当てはまった数 | 次にやること |
|---|---|
| 0〜1つ | すでに「人に残りやすい作業」を多く担当しています。次の章の道1を読み、今の強みをさらに広げましょう |
| 2〜3つ | 今の職場で広げられる部分がありそうです。道1から試し、物足りなければ道2・道3も比べてみましょう |
| 4つ以上 | 決まった作業が中心になっています。次の章で4つの道の全体を確かめてから、「事務職のキャリアアップ|自分に合う道の選び方3ステップ」で強みを言葉にして選びましょう |
「事務以外の仕事も考えたいけれど、何が合うのかわからない」と感じた方は、次の仕事や働き方を考える手がかりとして、適職診断で自分の傾向を確かめてみるのもおすすめです。
事務職のキャリアアップ4つの道

事務職のキャリアアップには、今の事務で広げる、専門の事務に進む、事務の経験を活かして職種を変える、働き方を変える、の4つの道があります。まず今の職場で道1を試し、物足りなければ道2、事務とは違う仕事がしたいなら道3、と順番に考えると迷いにくくなります。道4は、ほかの道と組み合わせて選べます。
| 道 | 向いている人 | 最初の一歩 |
|---|---|---|
| 道1:今の事務で「改善・AIを使う側」になる | 今の職場や仕事内容に大きな不満はない人 | 毎日の作業を書き出し、時間がかかっているものを1つ選んで、やり方を見直す |
| 道2:専門の事務に進む(経理・人事労務など) | 事務の仕事は好きで、強みになる分野がほしい人 | 興味のある分野の仕事内容を調べ、必要な知識や資格を確かめる |
| 道3:事務の経験を活かして職種を変える | 人と関わる仕事や、企画する仕事に挑戦したい人 | 事務で身についた力を書き出し、活かせる職種を比べる |
| 道4:働き方を変える(在宅・副業など) | 時間や場所の自由を増やしたい人 | 在宅でできる仕事や副業を、今の仕事を続けながら小さく試す |
道1|今の事務で「改善・AIを使う側」になる
いちばん始めやすいのが、今の職場で仕事の幅を広げる道です。「この作業をこう変えたら、毎月これだけ時間が減った」と言えるようになると、それ自体が強みになります。次の順番で試してみましょう。
毎日・毎月くり返している作業のなかから、いちばん時間がかかっているものを選びます。
誰が見てもわかるように、作業の手順を順番に書き出します。
表計算ソフトの機能やAIツールで、まとめられる手順や自動にできる手順を試します。
変える前と後でかかった時間を書いておくと、上司に伝えたり、職務経歴書に書いたりするときの材料になります。
仕事でAIツールを使うときは、会社のルールを先に確かめましょう。社外のサービスに、お客様の情報や社内の資料を入れてはいけない会社もあります。
道2|専門の事務に進む
経理(お金の管理)や人事労務(給与や社会保険の手続き)など、専門の知識が必要な事務に進む道です。たとえば経理なら簿記、パソコンの操作を証明したいならMOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)など、分野に合う資格を目安に学ぶ人もいます。資格を取ること自体を目標にせず、「その分野の仕事が自分に合うか」を先に調べておきましょう。
道3|事務の経験を活かして職種を変える
事務で身につけた正確さや段取りの力、社内の人とのやりとりの経験は、ほかの職種でも活かせます。たとえば、人事、広報、オンライン秘書などは、事務の経験とつながる部分が多い仕事です。
事務から目指せる仕事は、人事は未経験でもなれる?向いてる人の特徴と、事務の経験を活かして目指す4ステップや、広報に向いてる人の特徴と、事務の経験を活かして目指す4ステップでくわしく紹介しています。数字を見ながら工夫する仕事に興味がある方は、Webマーケターになるには?未経験から目指す4ステップも比べてみてください。
道4|働き方を変える
事務の仕事は、在宅で働ける求人や、オンライン秘書のように業務委託で受けられる仕事もあります。通勤や働く時間の自由を増やしたい人は、今の仕事を続けながら、在宅や副業で小さく試してみましょう。
在宅で働く方法は、オンライン秘書は未経験でもなれる?在宅で小さく始める4ステップやパソコンでできるリモートワークの職種も参考になります。本業を続けながら試すなら、SNS運用の副業を未経験から小さく始める4ステップのような副業もあります。
事務職のキャリアアップ|自分に合う道の選び方3ステップ

4つの道から自分に合うものを選ぶときは、今の仕事を作業ごとに分ける→強みと価値観を言葉にする→道を1つ選んで小さく試す、の3ステップで進めるのがおすすめです。
STEP1|今の仕事を「作業」と「工夫・調整」に分ける
1週間の仕事を書き出し、「決まった手順でやる作業」と「自分で考えて工夫したり、人と調整したりする仕事」に分けてみましょう。後者が多いほど、すでに人に残りやすい強みを持っています。
例:データの入力や書き写し、決まった形式の書類づくり、定期的な数字の集計など。
例:手順の見直し、他の部署や社外の人との日程や内容の調整、よくある質問に当てはまらない相談への対応など。
STEP2|強みと価値観を言葉にする
STEP1で書き出した仕事のなかで、「得意だと言われること」「やっていて苦にならないこと」が強み、「仕事でこれだけは大切にしたいこと」(安定、人の役に立つこと、成長など)が価値観です。強みと価値観がわかると、4つの道のどれが合うかを選びやすくなります。
STEP3|道を1つ選んで、小さく試す
いきなり転職を決める前に、今の職場で新しい仕事を引き受ける、興味のある分野の本を1冊読む、副業で1件だけ受けてみるなど、小さく試してみましょう。試してみて「もっとやりたい」と思えたら、その道を本格的に進めます。
3ステップでつまずいたときは
3ステップは上から順番に進め、うまくいかないときは右の列を試すと迷いにくくなります。
| ステップ | うまくいかないときは |
|---|---|
| STEP1:仕事を作業ごとに分ける | 分けにくいときは、セルフチェックで当てはまった項目から書き出す |
| STEP2:強みと価値観を言葉にする | 言葉にできないときは、同僚や友人に「私が頼りにされていること」を聞いてみる |
| STEP3:道を選んで小さく試す | 決めきれないときは、道1から試し、物足りなさを感じたら道2・道3に進む。働き方を変えたい気持ちが強いときは、道4の副業や在宅の仕事を並行して試す |
事務職の仕事内容や向いている人を改めて確かめたい方は、事務職の仕事内容と向いている人もあわせて読んでみてください。
卒業生の例|事務の経験や価値観から、自分に合う道を選んだ

ここでは、LadyMapを運営する女性向けキャリアコーチング「LadyCarry」の卒業生から、事務の経験や自分の価値観をもとに、これからの働き方を選んだ例を紹介します。
Iさん|医療事務の経験と強みを活かして、支援員の道へ(道3の例)
スポーツ用品店での販売を経て、精神科のクリニックで医療事務として受付や会計を担当し、途中からは医師の診察に付いてカルテ入力などをサポートしていたIさん。土日祝に休めない働き方が続き、「今の仕事が辛いのは逃げなのか、それとも合っていないからなのか」と悩んでいました。
LadyCarryで価値観や才能をふり返ると、新人の教育で一人ひとりに合わせて目標を立てていたことや、先回りして動いていたことが、自分の強みだとわかりました。そこから、病気や障害と向き合いながら働きたい人を支える就労支援の仕事に関心を持ち、「人の役に立てること」「土日休みでメリハリをつけられること」「医療や福祉の経験を活かせること」を仕事選びの軸として整理しています。
Iさんは支援員として内定を得ました。事務の仕事で身につけた経験と強みを、人を支える別の職種で活かそうとしている点が、4つの道の「道3:事務の経験を活かして職種を変える」に当たります。
Iさんのインタビューを詳しく読みたい方は、こちらの記事も確認してください。

Mさん|医師事務から、簿記を学びながら経理を目指す(道2の例)
医師事務として働いていたMさんは、短期間での転職を2回経験し、自分に向いている仕事も、何に不満を感じているのかもわからなくなっていました。当時の職場では、マニュアル通りに書類を作り、マニュアル通りにチェックする毎日で、「このままでは人として成長できない」と感じていたといいます。
LadyCarryの価値観分析で、自分にとって「安定」がすべての土台だとわかったMさん。仕事を調べるなかで、表に立つより組織を影から支える仕事に惹かれ、総務・経理・労務を比べました。経験者優遇の求人が多かったため、まずは派遣で経験を積み、5年後に経理や総務の正社員を目指すプランを立て、受講中に簿記の学習も始めています。
決まった作業が中心だった事務の仕事から、専門の知識が必要な経理へ進もうとしている点が、4つの道の「道2:専門の事務に進む」に当たります。自分の価値観を言葉にしてから分野を選んでいる点は、3ステップの「STEP2:強みと価値観を言葉にする」の例にもなります。
Mさんのインタビューを詳しく読みたい方は、こちらの記事も確認してください。

事務職のこれからを、一人で決めきれないときは

「事務職の将来は不安だけど、自分にどんな強みがあるのかわからない」と感じたら、作業の得意・不得意と、大切にしたい価値観を分けて考えることが大切です。強みや価値観は、第三者と一緒に振り返ることで見えやすくなります。
LadyCarryの卒業時アンケートでは、受講生の91.7%(242名中222名)が、「理想の実現のための行動が明確になった」「自分軸で判断し行動できているイメージを持つことができている」のいずれかを選んでいます。
※LadyCarry受講生 卒業時アンケート調査(2025年7月〜2026年9月/実人数242名)。「卒業時の状態」を問う設問で「理想の実現のための行動が明確になった」「自分軸で判断し行動できているイメージを持つことができている」のいずれかを選んだ受講生の割合
「1対1で話すのは身構えてしまう」「まずは自分で考えるための手順を知りたい」という方に向けて、LadyCarryでは自己理解をこれからの選択につなげる考え方を学べる無料オンラインセミナーを開いています。「事務の経験しかない私に、ほかの道があるのか自信がない」という方が、自分の強みと価値観から、これからの働き方を選ぶ考え方を知りたいときにおすすめです。
- 画面オフ・マイクオフで参加できる:自宅から周りを気にせず、リラックスして聞けます
- 自分軸を見つける自己分析のコツ:今のモヤモヤを分けて、自分の判断基準を組み立てる考え方を学べます
- オリジナルワークシートつき:セミナーのあとも、自分のペースで考えを進められます
「やりたいことがまだ決まっていない」という段階でも大丈夫です。実際に、LadyCarryの1対1の個別相談に申し込んだ方の約43%は、まだ求人に応募もしていない“モヤモヤ段階”からのスタートでした。受講後の担当コーチへの満足度は99.6%です。
※LadyCarry 個別相談(無料カウンセリング・パーソナルセッション)申込フォームより集計(2025年2月〜2026年9月/実人数4,108名)、LadyCarry受講生 卒業時アンケート調査(2025年7月〜2026年9月/実人数242名)。担当コーチの満足度は「5:大変満足」「4:満足」と回答した割合
転職だけでなく、働き方の選択肢を広く比べたい方は、こちらの記事も確認してください。

まとめ|事務職の将来性は、強みの広げ方で変えられる

事務職は、AIの影響を受けやすい仕事の1つですが、すぐになくなるわけではありません。決まった作業がAIに置きかわっていくなかで、改善・調整・専門性のどれかに強みを広げておくことが、長く働くための準備になります。
セルフチェックで今の仕事を見直し、今の事務で広げる、専門の事務に進む、職種を変える、働き方を変える、の4つの道から、自分の強みと価値観に合うものを選んでみましょう。
AIに代わられにくい仕事を広く比べたい方は、こちらの記事も確認してください。

事務職の将来性に関するよくある質問
- 事務職はAIでなくなりますか?
-
すぐになくなるわけではありません。ILOの報告では、事務の仕事は生成AIの影響をもっとも受けやすい職業のグループとされていますが、影響は仕事が消えることより「仕事の中身が変わること」として表れる可能性が高いとされています。決まった作業はAIに任せ、改善や調整など人に残りやすい仕事に強みを広げておくと安心です。
- 事務職のキャリアアップに資格は役立ちますか?
-
目指す道によって役立つ資格は違います。専門の事務に進むなら、経理の簿記のように分野に合う資格が目安になります。LadyCarry卒業生のMさんも、経理を目指して簿記の学習を始めています。資格を取る前に、その分野の仕事が自分に合うかを調べておくと、学んだことを活かしやすくなります。
- 事務職から別の職種に転職できますか?
-
事務で身につけた正確さや段取りの力、社内外とのやりとりの経験は、人事、広報、オンライン秘書など、ほかの職種でも活かせます。LadyCarry卒業生のIさんも、医療事務の経験と強みを活かして、支援員として内定を得ました。
- 事務職のまま長く働き続けるには、何をすればいいですか?
-
今の職場で、時間がかかっている作業を見直したり、新しいツールを試したりして、「仕事を良くできる人」になることが近道です。会社のルールを確かめたうえでAIツールにも触れておくと、仕事の中身が変わったときにも対応しやすくなります。
キャリアコーチ・キャリアアドバイザー。LadyCarry認定コーチ。これまでに300人以上のキャリア相談に携わる。Gallup認定ストレングスコーチの資格を保有し、強みを活かしたコーチングにも従事。20〜30代女性が「自分らしさを仕事に変える」ための支援に特化。


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