「やってみたい仕事が見つかったのに、今より年収が下がりそう」「給料が減ったら、転職したことを後悔するかもしれない」。転職を考えはじめたとき、年収の問題で足が止まってしまう人は少なくありません。
転職で年収が下がること自体は、めずらしいことではありません。大事なのは、何を得るために下がるのかが言葉になっていて、下がっても暮らしが成り立つかを確かめてから決めることです。そうすれば、年収が下がる転職も「後悔しない選択」にできます。
この記事では、転職で年収が下がる人の割合とよくあるパターン、後悔しない人・後悔しやすい人の違い、セルフチェック、納得して選ぶ4ステップを紹介します。条件だけで選ばずに転職したLadyCarry卒業生の例もあわせて紹介します。
- 転職で賃金が前職より下がった人は約3割。年収が下がる転職はめずらしくない
- 後悔するかどうかは、「得たいもの」と「暮らしに必要な金額」を確かめたかで分かれる
- 得たいものを書く→必要な金額を計算する→年収以外も比べる→3年後を考える、の4ステップで判断する

「年収を下げてでも、自分に合う仕事に変えたほうがいいのか迷う」という方は、まずLadyCarryの適職診断で今の自分の傾向をのぞいてみませんか?いくつかの質問に答えるだけで、あなたの強みや価値観、働き方の傾向から、向いている仕事の方向性を整理できます。条件だけで仕事を選ばないための手がかりにしてみてください。
転職で年収が下がるのはよくあること?

転職した人のうち、前職より賃金が下がった人は約3割いて、年収が下がる転職はめずらしいことではありません。
データで見る、転職後の賃金の変化
厚生労働省の令和6年雇用動向調査によると、転職して入職した人のうち、前職より賃金が「増加」した人は40.5%、「減少」した人は29.4%でした。
| 前職と比べた賃金 | 割合 |
|---|---|
| 増加した | 40.5% |
| 減少した | 29.4% |
※出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概要」転職入職者の賃金変動状況(「変わらない」などの割合は省略)
上がる人の方が多い一方で、下がる人も3割ほどいます。年収が下がる転職を考えている自分を「失敗している」と責めなくて大丈夫です。
年収が下がりやすい転職のパターン
年収が下がりやすいのは、次のような転職です。自分の転職がどれに当たるかを先に確かめておくと、下がる理由に納得しやすくなります。
- 未経験の職種へのキャリアチェンジ:経験が少ない分、スタートの給与が低めに設定されることがある
- 給与水準の違う業界への転職:同じ職種でも、業界によって給与の相場が違う
- 残業や手当が減る転職:残業代や手当が多かった人は、月給が同じでも年収が下がることがある
- 働く時間や役割を減らす転職:時短勤務や、責任の軽い役割を選ぶと給与も変わりやすい
どのパターンでも、「なぜ下がるのか」を説明できれば、下がること自体は問題ではありません。未経験の仕事に挑戦したい方は、未経験の仕事に挑戦するキャリアチェンジの進め方も参考にしてください。
年収が下がっても後悔しない人・後悔しやすい人の違い

年収が下がって後悔するかどうかは、下がる金額よりも、決める前に何を確かめたかで分かれます。
左右の項目は1つずつ対になっています。自分がどちらに近いか、見比べてみてください。
- 年収と引き換えに得たいもの(やりがい・時間・働き方)がはっきりしている
- 下がったあとの毎月の生活費を計算してある
- 数年後に年収を取り戻す道筋をイメージできている
- 「自分で決めた」と思えている
- 人と比べず、自分の得たいもので選んだと言える
- 何のために転職するのかが、あいまいなまま決めている
- 生活費を計算せずに、なんとかなると思って決めている
- 下がったあと、上がる見込みがあるかを確かめていない
- 周りにすすめられたり、焦ったりして決めている
- 同年代の年収や、前の職場のボーナスと比べてしまう
右側に当てはまるものがあっても大丈夫です。この記事の4ステップで1つずつ確かめれば、左側に近づけます。転職後に「失敗した」と感じたときの考え方は、転職に失敗した・後悔していると感じたときの次の一歩の選び方で紹介しています。
年収が下がる転職をしていいか、セルフチェック

次の6つのうち、当てはまる数で「今、決めていいか」の目安がわかります。
セルフチェック:当てはまるものを数える
- 転職で得たいものを、年収以外の言葉で3つ言える
- 下がったあとの手取りで、毎月の生活費をまかなえる
- 貯金を取り崩すとしたら、何か月まで大丈夫かわかっている
- 転職先の給与の内訳(基本給・賞与・残業代・手当)を確かめた
- 数年後に年収が上がる道筋(昇給の仕組み、身につく経験)を説明できる
- 家族など、生活を一緒にしている人と話し合えている
結果の見方と、次にすること
| 当てはまった数 | 次にすること |
|---|---|
| 5〜6個 | 判断の材料はそろっています。STEP1で書いた「得たいもの」が転職先で手に入るかを最後に確かめて、応募や内定の判断に進みましょう |
| 3〜4個 | 当てはまらなかった項目に合う4ステップを読み、足りない材料をそろえましょう |
| 0〜2個 | まだ決めるのは早めです。STEP1から順に進め、転職以外の選択肢も比べてみましょう |
チェックの数が少なくても、転職をあきらめる必要はありません。判断の材料をそろえれば、同じ転職でも納得して選べるようになります。
年収が下がっても納得して選ぶ4ステップ

得たいものを書く→必要な金額を計算する→年収以外も比べる→3年後を考える、の順で確かめると、年収が下がる転職を後悔なく判断できます。
STEP1 転職で得たいものを、年収以外の言葉で書き出す
まずは、「年収が下がってでも手に入れたいもの」を3つ書き出してみましょう。たとえばやりがいのある仕事内容、家族との時間、残業の少なさ、在宅で働けること、人間関係のよさ、身につけたい経験などです。
得たいものが言葉になっていると、年収が下がったあとも「これのために選んだ」と思い出せます。反対に、うまく書けないときは、年収を下げてまで転職する理由がまだはっきりしていないのかもしれません。条件の決め方は、転職の軸の決め方でくわしく紹介しています。得たいものがうまく言葉にならない方は、仕事の価値観の見つけ方から試してみてください。
STEP2 暮らしに必要な金額を計算する
次に、下がったあとの年収で暮らしが成り立つかを確かめます。年収ではなく、毎月の手取りで考えるのがポイントです。
家賃、通信費、保険料、奨学金の返済など、毎月決まって出ていくお金を合計します。
食費や日用品に加えて、趣味や交際費など「これは削りたくない」お金も入れておきます。
「毎月の手取りがこの金額を下回ったら困る」という下限ラインを決めます。
転職先の手取りの見込みが下限ラインを上回っていれば、年収が下がっても暮らしは守れます。下回る場合は、貯金で何か月まかなえるかも計算しておきましょう。
住民税は前の年の収入をもとに計算されるため、転職してしばらくは、年収が下がる前の収入をもとにした住民税が引かれます。今の住民税の額は給与明細で確かめられるので、しばらくはその金額を差し引いて手取りを見積もっておくと安心です。
STEP3 年収以外の条件も含めて比べる
年収の数字だけを比べると、大事な違いを見落とすことがあります。今の職場と転職先を、次の項目で並べてみましょう。
| 比べる項目 | 確かめること |
|---|---|
| 給与の内訳 | 基本給・賞与・残業代・手当がそれぞれいくらか |
| 働く時間 | 残業の多さ、休日の数、有給の取りやすさ |
| 通勤・働く場所 | 通勤時間、在宅勤務ができるか |
| 福利厚生 | 住宅手当、退職金、育児や介護の制度 |
| 得たいもの | STEP1で書き出したものが手に入るか |
「年収が下がるからやめておこう」で考えが止まり、通勤時間が短くなることや、在宅で働けることを見落としやすくなります。
「年収は下がるけれど、毎日早く帰れて、やりたかった仕事ができる」のように、下がる理由に納得して選べます。
数字と、自分が得たいものの両方で比べると、年収が下がる転職でも納得して決められます。
給与の内訳や残業代の扱いは、内定が出たら書面(労働条件通知書など)で確かめましょう。面接で聞いた話と違っていた、という後悔を防げます。
STEP4 3年後に年収を取り戻せるかを考える
最後に、3年後の自分を想像してみましょう。転職先で経験を積んだら昇給できる仕組みがあるか、身につけた経験が次の仕事にもつながるかを確かめます。
今の年収だけでなく、数年後にどんな経験と年収を持っていたいかで考えると、目先の数字に振り回されにくくなります。専門を深めて年収を上げていくか、経験の幅を広げるかで迷う方は、スペシャリストとゼネラリストのどっちが向いているかの選び方も読んでみてください。
年収を下げる前に比べたい、転職以外の選択肢

年収を下げる転職だけが答えではなく、今の職場で働き方を変える道もあります。
今の職場でできること
今の職場で、異動で仕事内容を変える、残業を減らせるよう相談する、副業で好きなことを試す、といった方法もあります。年収を保ったまま、得たいものの一部を手に入れられることもあります。
年収を保ったまま試せます。一方で、会社の制度や部署の事情によっては、得たいものが手に入りにくいこともあります。
得たいものに合う環境を自分で選べます。一方で、年収が下がることや、新しい職場に慣れるまでの負担があります。
LadyCarryの卒業時アンケートでは、進路を回答した受講生241名のうち27.8%(67名)が、今の職場で働き続ける、社内異動、独立や副業を始めるなど、転職以外の進路を選んでいます。
※LadyCarry受講生 卒業時アンケート調査(調査期間:2025年7月〜2026年10月/実人数241名)「卒業時の進路」として、現職継続(1年以内の転職活動予定なし)・社内異動・独立や副業開始・進学など、転職以外の進路を回答した受講生の割合
自分を知ったうえで「今は転職しない」と決めるのも、立派な選択の1つです。部署を変えたいときは、異動したいときの伝え方と社内公募の進め方を参考にしてください。
迷ったときに試す順番
| 試す順番 | やってみること |
|---|---|
| まず | 今の職場で、得たいものが手に入らないかを上司に相談する |
| 次に | 異動や社内公募、副業で、得たいものに近い経験をしてみる |
| それでも難しければ | 年収が下がることを納得したうえで、転職を考える |
順番に試してみて、それでも得たいものが手に入らないとわかったときが、年収を下げてでも転職を考えるタイミングです。転職するか迷うときの決め方では、続ける・異動・転職の判断基準をくわしく紹介しています。
「年収よりも自分に合う仕事を大事にしたいけれど、何が合うのかわからない」という方は、無料の適職診断で強みや価値観、働き方の傾向を整理してみるのも1つの方法です。
卒業生の例|条件だけで選ばず、得たいものから働き方を選んだ2人

得たいものがはっきりすると、年収や休日の数だけで比べなくなり、自分が納得できる選択ができるようになります。LadyMapを運営する女性向けキャリアコーチング「LadyCarry」の卒業生にも、条件だけで選ぶのをやめて働き方を決めた人がいます。
給与や休日数ばかり見ていたSさん
メーカーで事務職をしていたSさんは、安定して働けてはいたものの、同じ作業のくり返しでやりがいを感じられずにいたそうです。転職活動をしても、求人を見るときに気にしていたのは給与や休日数ばかりでした。
LadyCarryで自分の強みや価値観を深く知ると、「どんな環境で力を発揮できるか」「何にやりがいを感じるか」を基準に考えられるようになり、転職の軸が見つかりました。その結果、本当にやりたかったエンジニア職への転職を実現しています。
Sさんの例は、4ステップのうち「STEP1 転職で得たいものを、年収以外の言葉で書き出す」に当たります。
Sさんが条件ではなく自分の軸で転職先を選ぶまでの話は、こちらのインタビューで紹介しています。

働く時間を減らす働き方を選んだMさん
派遣社員としてフルリモートの事務をしていたMさん(30歳)は、チャットで常に見られているような働き方に気を張り続け、心身ともに疲れてしまったそうです。LadyCarryで生まれてから今までを振り返る「人生分析」に取り組み、コーチと一緒に自分に合う働き方を見定めていきました。
そこで気づいたのは、「正社員としてガッツリ働く」よりも、アルバイトと副業を両立する働き方の方が自分に合っているということ。今はアルバイトの勤務時間が少し短くなった分、体を休める時間や、副業のライターの勉強、愛犬との時間をしっかり取れるようになったと話しています。今後の目標は、フリーランスのライターとして独立することだそうです。
Mさんの例は、得たいもの(体を休める時間と、やりたいことに近づく時間)をはっきりさせて、「働く時間や役割を減らす」働き方を自分で選んだ例に当たります。
Mさんが自分らしい働き方を見つけるまでの話は、こちらのインタビューで紹介しています。

2人とも、条件だけでなく「何を得たいか」から働き方を選んだことで、納得できる毎日にたどり着いています。
年収が下がる転職を、一人で決めにくいときは

年収を下げてまで得たいものは何かは、自分では当たり前すぎて、一人ではうまく言葉にならないことがあります。4ステップを試してみて、STEP1で手が止まった方も少なくないかもしれません。人と話しながら過去を振り返ると、本当に大切にしたいことが見えやすくなります。
「年収が下がるのは不安だけれど、今の仕事を続けるのもつらい」「何を基準に決めればいいか、まずは考え方だけ知りたい」という方に向けて、LadyCarryでは自己理解をこれからの選択につなげる考え方を学べる無料オンラインセミナーを開いています。条件だけで選ばない、自分の判断基準のつくり方を知りたい方におすすめです。
- 画面オフ・マイクオフで参加できる:自宅から周りを気にせず、リラックスして聞けます
- 自分軸を見つける自己分析のコツ:今のモヤモヤを分けて、自分の判断基準を組み立てる考え方を学べます
- オリジナルワークシートつき:セミナーのあとも、自分のペースで考えを進められます
「やりたいことがまだ決まっていない」という段階でも大丈夫です。実際に、LadyCarryの1対1の個別相談に申し込んだ方の約43%は、まだ求人に応募もしていない“モヤモヤ段階”からのスタートでした。受講後の担当コーチへの満足度は99.6%です。
※LadyCarry 個別相談(無料カウンセリング・パーソナルセッション)申込フォームより集計(2025年2月〜2026年9月/実人数4,108名)、LadyCarry受講生 卒業時アンケート調査(2025年7月〜2026年9月/実人数242名)。担当コーチの満足度は「5:大変満足」「4:満足」と回答した割合
転職するか、今の職場で働き方を変えるかも含めて考えたい方は、こちらの記事も確認してください。

まとめ|年収が下がる転職は、得たいものと暮らしを確かめてから決めよう

年収が下がる転職を後悔しない選択にできるかは、得たいものと、暮らしに必要な金額を確かめてから決めたかどうかで決まります。
- 転職で賃金が前職より下がった人は約3割。年収が下がる転職はめずらしくない
- 後悔しやすいのは、得たいものや生活費を確かめずに決めたとき
- 得たいものを書く→必要な金額を計算する→年収以外も比べる→3年後を考える、の4ステップで判断する
- 年収を下げる前に、今の職場で働き方を変える道とも比べる
まずは今日、「年収が下がってでも手に入れたいもの」を3つ書き出すところから始めてみましょう。給料に不満があって転職を考えている方は、こちらの記事も確認してください。

転職で年収が下がることに関するよくある質問
- 転職で年収が下がるのは、どのくらいまでなら大丈夫ですか?
-
「何%まで」という決まった基準はありません。下がったあとの毎月の手取りで生活費と貯金がまかなえるか(下限ライン)と、年収と引き換えに得たいものがはっきりしているかで判断しましょう。
- 年収が下がる転職をして、後悔する人は多いですか?
-
後悔しやすいのは、何のために転職するのかや、生活費を確かめずに決めたときです。得たいものと暮らしに必要な金額を先に確かめておけば、年収が下がっても納得して選びやすくなります。
- 未経験の職種に転職すると、年収は下がりますか?
-
経験が少ない分、スタートの給与が低めになることがあります。転職先で経験を積んだら昇給できる仕組みがあるか、身につく経験が次につながるかを確かめておきましょう。
- 年収を下げずに働き方を変える方法はありますか?
-
今の職場で異動を相談する、残業を減らせるよう相談する、副業で好きなことを試すといった方法があります。転職の前に、今の職場でできることから試してみましょう。
キャリアコーチ・キャリアアドバイザー。LadyCarry認定コーチ。これまでに300人以上のキャリア相談に携わる。Gallup認定ストレングスコーチの資格を保有し、強みを活かしたコーチングにも従事。20〜30代女性が「自分らしさを仕事に変える」ための支援に特化。


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