「子どもは好き。でも、職員どうしの人間関係に疲れてしまった」「このまま保育士を続けていいのかな」。そんなふうに迷っていませんか。
保育士を辞めたいと感じたら、まず「保育の仕事そのもの」がつらいのか、「今の園の人間関係や条件」がつらいのかを分けてみましょう。つらさの元が園にあるなら、保育士を辞めなくても、担当や園を変えるだけで楽になることがあるからです。
この記事では、保育士を辞めたいと感じるよくある理由と、「保育」か「園」かを見分けるセルフチェック、今の園で続ける・園を変える・職種を変えるのどれを選ぶかを決める4ステップを紹介します。LadyMapを運営する女性向けキャリアコーチング「LadyCarry」の卒業生で、一度は保育士以外の道も考えた保育士の例もあわせて紹介します。
- 保育士を辞めたいときは、「保育の仕事そのもの」と「今の園」のどちらがつらいのかを分ける
- 園の人間関係や条件がつらいなら、今の園で変えられることを試し、変わらなければ別の園を探す
- 職種を変えるなら、子どもと関わってきた経験が活きる仕事から考える

「保育士以外に何が向いているのか、自分ではわからない」という方は、LadyCarryの適職診断で今の自分の傾向をのぞいてみませんか?いくつかの質問に答えるだけで、あなたの強みや価値観、働き方の傾向から、向いている仕事の方向性を整理できます。
保育士がきつい・疲れた・辞めたいと感じる、よくある5つの理由

東京都の調査では、保育士を辞めた人の理由でいちばん多いのは、職場の人間関係です。子どもが好きで選んだ仕事でも、大人どうしの関係や働く条件でつらくなることがあります。
東京都の令和4年度 東京都保育士実態調査では、過去に保育士として働いていた人が辞めた理由(複数回答)は、「職場の人間関係」が31.5%でいちばん多く、「仕事量が多い」(23.1%)、「給料が安い」(22.1%)、「健康上の理由(体力含む)」(20.6%)、「労働時間が長い」(18.6%)と続きます。この記事では、仕事量と労働時間を1つにまとめ、調査の上位にはないものの園選びで迷いやすい「園の方針」を加えた5つで整理します。
1. 人間関係:職員どうしの関係や、大人の顔色に疲れる
保育は、職員どうしで声をかけ合いながら進める仕事です。先輩や同僚の顔色ばかり気になって、子どもに向き合う余裕がなくなると、仕事そのものがつらく感じられます。
2. 仕事量・労働時間:行事の準備や書類が終わらない
保育の時間のほかにも、行事の準備や記録、おたよりづくりなどの仕事があります。仕事量が多くて持ち帰りや残業が続くと、休む時間がなくなってしまいます。
3. 給料・待遇:責任の重さに見合わないと感じる
子どもの命を預かる責任のある仕事なので、「責任の重さに給料が見合っていない」と感じて、続けるか迷う人もいます。
4. 体力:抱っこや立ち仕事で体がもたない
子どもを抱っこしたり、しゃがんだり、外で一緒に遊んだりと、体を使う場面が多い仕事です。体力的にきつい状態が続くと、気持ちの余裕もなくなりやすくなります。
5. 園の方針:保育の考え方が合わない
保育のやり方や大切にしていることは、園によって違います。自分の考える保育と園の方針が合わないと、「このやり方でいいのかな」と迷いが大きくなります。
保育士に向いてない?それとも今の園が合わない?|見分けるセルフチェック

保育士を辞めるかどうかは、つらさの元が「保育の仕事そのもの」にあるのか、「今の園」にあるのかで、次の一歩が変わります。どちらに多く当てはまるかを確かめましょう。
- 子どもと関わる仕事に、やりがいを感じにくくなった
- どの園でも、命を預かる責任の重さがつらいと思う
- 抱っこや立ち仕事など、体を使う働き方がつらい
- 求人票でいくつかの園を見比べても、給料や働く時間に納得できない
- 保育以外にやってみたいことがある
- 子どもと過ごす時間は好きで、楽しいと感じる
- 職員どうしの人間関係がいちばんつらい
- 前の園やほかのクラスでは、つらさが少なかった
- 園の方針や仕事の進め方に、違和感がある
- 残業や持ち帰りが多いのは、今の園のやり方のせいだと思う
| 当てはまったほう | 次にすること |
|---|---|
| 保育の仕事そのものが合わないかも | 下の4ステップのSTEP1のあと、STEP4へ進み、保育の経験が活きる仕事から次の候補を探す |
| 今の園が合わないだけかも | 下の4ステップのSTEP1のあと、STEP2で今の園で変えられることを試し、変わらなければSTEP3で別の園を探す |
どちらも同じくらい当てはまるときは、子どもと過ごす時間が好きかどうかを考えてみましょう。好きな気持ちが残っているなら、まずは今の園で変えられることを試し、変わらなければ別の園を考える順番がおすすめです。
眠れない、食欲がないなど心や体の不調が続いているときは、辞めるかどうかを決める前に、医療機関や園・法人の相談窓口などに相談してください。休むことを先にしてかまいません。
保育士を辞める前に考えたい、次の道を選ぶ4ステップ

つらさを書き出したあと、「園」が原因なら今の園→別の園、「保育の仕事そのもの」が原因なら職種を変える、の順に考えると、次の一歩を選びやすくなります。
STEP1:つらい場面を書き出し、5つの理由に分ける
まずは、最近「辞めたい」と思った場面を書き出します。場面を具体的に書くと、5つの理由のどれがいちばん重いかが見えてきます。
例:行事の準備と書類の締め切りが重なり、1週間持ち帰りが続いた
例:休む時間がなく、子どもと過ごす時間まで楽しめなくなったこと
例:2. 仕事量・労働時間
STEP2:今の園で変えられることを試す
「今の園が合わないだけかも」に当てはまった人は、まず今の園で変えられることを試しましょう。担当するクラスや役割が変わるだけで、関わる職員や仕事量が変わり、つらさが軽くなることもあります。
- 園長や主任に、担当や仕事量の見直しを相談する
- 行事の準備や書類の分担を相談する
- 同じ法人にほかの園があれば、異動できるか確かめる
- 職員どうしの関係がつらいなら、信頼できる人(園長・主任・法人の窓口など)を一人決めて相談する
- 相談しても、人間関係や仕事量がほとんど変わらない
- 園の方針そのものが、自分の考える保育と合わない
- 休みの日も、園のことが頭から離れない状態が続く
目安に当てはまったら、STEP3で別の園を探すことを考えましょう。相談の伝え方は「異動したいときの理由の整理と伝え方」、苦手な職員とのつきあい方は「職場に嫌いな人・苦手な人がいるときの対処法」で紹介しています。
STEP3:別の園で、合う環境かを確かめる
保育の仕事を続けたいなら、別の園を探します。同じ保育の仕事でも、園の方針や職員の雰囲気、働く条件は園ごとに大きく違います。求人票や見学で、次の点を確かめましょう。
- 保育の方針や、大切にしていること
- 職員の人数と、職員どうしの声のかけ合い方
- 行事の数や、書類・準備にかかる時間
- 給料・手当、休日、残業や持ち帰りの有無
- 通勤の時間と、無理なく通えるか
- 自分が大切にしたい価値観(例:職員どうしが対等に話せるか)に合うか
園を選ぶときの基準を言葉にしたい方は、転職の軸の決め方も参考にしてください。
STEP4:職種を変えるなら、保育の経験が活きる仕事から考える
保育の仕事そのものが合わないと感じたら、職種を変えることを考えます。「保育しかしてこなかった」と思わず、子どもや保護者と関わってきた経験を、次の仕事の強みとして言葉にしましょう。保育の経験が活きる仕事は、次の章で紹介します。
保育士の経験が活きる仕事

保育士として身につけた「観察する力」や「伝える力」は、ほかの仕事でも活かせる強みです。STEP1で見えた理由を思い出しながら、それぞれの「気をつけたいこと」を見比べましょう。
- 観察する力:子どもの小さな変化に気づく力
- 伝える力:保護者や子どもに、わかりやすく伝える力
- 段取りする力:行事や毎日の流れを、時間どおりに進める力
- 支える力:一人ひとりに合わせて、できるようになるまで見守る力
| 仕事の例 | 活かしやすい経験・気をつけたいこと |
|---|---|
| ① 学童保育・児童館の職員 | 子どもと関わる経験をそのまま活かしやすい。保育園とは働く時間帯が違うことが多い。 |
| ② 子ども向けの教室・習い事のスタッフ | 子どもに合わせて教える経験が活かしやすい。教室によっては受付や営業の仕事もある。 |
| ③ 保育・子育て関連の会社の事務やサポート | 現場を知っていることが強みになる。子どもと直接関わる時間は少なくなる。 |
| ④ 一般事務 | 行事や書類を段取りよく進めてきた経験が活かしやすい。体を使う場面は少なくなる。 |
| ⑤ 人事・研修のサポート | 一人ひとりに合わせて人を育ててきた経験が活かしやすい。未経験の場合は、事務やアシスタントから始めることもある。 |
「子どもは好き。でも保育園の働き方がつらい」なら、子どもと関わる仕事のまま、働く時間や場所を変える選び方もあります。誰かを支える仕事をもっと広く知りたい方は、人の役に立つ仕事の選び方も参考にしてください。
保育士の経験が活きる仕事のうち、どれが自分に合うのか迷ったら、無料の適職診断を手がかりにしてみてください。いくつかの質問に答えるだけで、強みや価値観、働き方の傾向から、向いている仕事の方向性を整理できます。
保育士以外の道も考えた卒業生の例

つらさの元を分け、自分が大切にしたいことを言葉にすると、「保育士に向いていない」と決めつけずに合う環境を選べることがあります。ここでは、LadyCarryの卒業生のYさんの例を紹介します。
大人の顔色ばかり気になり、保育士以外の道も考えたYさん
Yさんは、小さいころからの夢を叶えて保育士になりました。最初は楽しく働いていたものの、地域や園ごとに保育のやり方や質に差があることを知り、いつしか子どもたちよりも、職員の様子や大人の顔色ばかりが気になるようになったそうです。自分の考えも素直に言えなくなっていたといいます。転職を経験したことで「保育園によってこんなに違いがあるんだ」と痛感し、自転車で1時間かけて通う今の園では、まったく気持ちが入らなくなっていたと話しています。
職員どうしの関係や園ごとの方針の違いに悩み、記事の5つの理由で言えば「1. 人間関係」と「5. 園の方針」に近いつらさから、保育士以外の道も考えるようになった例です。「私は保育士ではなくてもいいのでは?」と迷い、一時は事務職に気持ちが傾いていたといいます。
価値観を言葉にして、合う園に戻ると決めた
受講中、Yさんは自己分析を進める中で、自分が大切にしている価値観を言葉にしました。「コミュニケーションの良さ」「公私混同しないメンバーが集まっていること」「その中に自分が認めてもらえること」、すべてまとめて「平等であること」を重視していると分かったそうです。
それを考えたとき、以前勤めていた園は職員全体のヒューマンスキルが高く、自分に合う環境だったと再確認できました。コーチから「保育が天職なのではないか」と言われたこともあり、「やっぱり資格を活かして働きたい」と、以前の園に戻ることを決めました。Yさんの例は、セルフチェックの「前の園やほかのクラスでは、つらさが少なかった」に近く、自分の価値観に合う園を選び直した例です。
Yさんが保育の道で自分らしさを取り戻すまでの話は、こちらの記事で読めます。

一人で決めきれないときは

保育士を続けるか辞めるかは、子どもへの思いも重なるので、一人で決めきれなくても当然です。「辞めたら子どもたちに申し訳ない」「ほかの仕事でやっていけるのかな」と迷うときほど、誰かと一緒に整理すると、自分に合う道が見えてきます。
LadyCarry受講生の卒業時アンケートでは、91.7%が「理想の実現のための行動が明確になった」「自分軸で判断し行動できているイメージを持つことができている」のいずれかを選んでいます。
※LadyCarry受講生 卒業時アンケート調査(2025年7月〜2026年9月/実人数242名)。「卒業時の状態」を問う設問で「理想の実現のための行動が明確になった」「自分軸で判断し行動できているイメージを持つことができている」のいずれかを選んだ受講生の割合
コーチングでは、こうした自己理解を一緒に深めていきます。その考え方の入口として、LadyCarryの無料オンラインセミナーでは、自己理解をこれからの仕事選びにつなげる考え方を知ることができます。「子どもは好きだけど、この働き方でいいのかな」を自分の価値観から考えたい方は、まずはセミナーで考え方にふれてみてください。
- 画面オフ・マイクオフで参加できる:自宅から周りを気にせず、リラックスして聞けます
- 自分軸を見つける自己分析のコツ:今のモヤモヤを分けて、自分の判断基準を組み立てる考え方を学べます
- オリジナルワークシートつき:セミナーのあとも、自分のペースで考えを進められます
「やりたいことがまだ決まっていない」という段階でも大丈夫です。実際に、LadyCarryの1対1の個別相談に申し込んだ方の約43%は、まだ求人に応募もしていない“モヤモヤ段階”からのスタートでした。受講後の担当コーチへの満足度は99.6%です。
※LadyCarry 個別相談(無料カウンセリング・パーソナルセッション)申込フォームより集計(2025年2月〜2026年9月/実人数4,108名)、LadyCarry受講生 卒業時アンケート調査(2025年7月〜2026年9月/実人数242名)。担当コーチの満足度は「5:大変満足」「4:満足」と回答した割合
転職のほかにも、働き方の種類など、これからの働き方の選択肢を広く知りたい方は、こちらの記事も確認してください。

よくある質問
- 保育士を辞めたいのは甘えですか?
-
甘えではありません。人間関係や仕事量、体力の負担など、保育士ならではのしんどさがあります。大切なのは、つらいのが「保育の仕事そのもの」か「今の園」かを分けて、次の道を選ぶことです。
- 保育士を1年目で辞めるのは早いですか?
-
早いかどうかより、つらさの元がどこにあるかが大切です。今の園の人間関係や方針が原因なら、園を変えることで続けられる場合もあります。心や体の不調が続くときは、期間にこだわらず休むことを優先してください。
- 保育士を辞めると決めたら、いつ誰に伝えればいいですか?
-
まずは園長や主任など、上の人に伝えましょう。退職を申し出る時期は、就業規則や雇用契約で確かめてください。クラスの引き継ぎや行事の準備もあるので、早めに相談しておくと、子どもたちや同僚への影響も小さくできます。
- 保育士以外にどんな仕事ができますか?
-
学童保育や児童館、子ども向けの教室、保育・子育て関連の会社の事務やサポート、一般事務、人事・研修のサポートなどがあります。観察する力や伝える力は、ほかの仕事でも活かせる強みです。
まとめ:保育士を辞めたいときは、「保育」か「園」かを分けてから選ぼう

保育士を辞めたいときは、つらさの元が「保育の仕事そのもの」か「今の園」かを分けてから、次の道を選びましょう。
- 辞めたい理由を「人間関係」「仕事量・労働時間」「給料・待遇」「体力」「園の方針」の5つから分ける
- 辞めたいのが「保育の仕事そのもの」か「今の園」かを見分ける
- 今の園がつらいなら、今の園で変えられることを試し、変わらなければ別の園を探す
- 保育の仕事そのものが合わないなら、保育の経験が活きる仕事から次を考える
子どもが好きな気持ちは、どの道を選んでも大切な強みです。まずは、最近つらかった場面を書き出すところから始めてみましょう。何がつらいかから次の仕事を考えたい方は、ストレスの少ない仕事の選び方も参考にしてください。
続けるか転職するかで迷ったときの考え方を知りたい方は、こちらの記事も確認してください。

キャリアコーチ・キャリアアドバイザー。LadyCarry認定コーチ。これまでに300人以上のキャリア相談に携わる。Gallup認定ストレングスコーチの資格を保有し、強みを活かしたコーチングにも従事。20〜30代女性が「自分らしさを仕事に変える」ための支援に特化。


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