「ikigaiの4つの円を書いてみたけれど、全部が重なる仕事なんて見つからない」「好きなことも得意なことも、はっきりしない」。生きがいを探そうとして、かえって焦ってしまうことはありませんか?
ikigaiは、4つの円が全部重なる仕事を探すためではなく、今の自分にどの円が足りていて、どの円を育てたいかを知るために使うと役立ちます。全部が重ならなくても、仕事と仕事以外を組み合わせて、自分なりの生きがいはつくれます。
この記事では、ikigai(生きがい)の意味と4つの円の書き方・記入例、今育てる円を選ぶ4ステップを、LadyMapを運営する女性向けキャリアコーチング「LadyCarry」の卒業生の例とあわせて紹介します。
- ikigaiは「好き」「得意」「稼げる」「世の中に必要とされる」の4つの円で、仕事や生き方を整理する考え方
- 4つの円が全部重なる仕事を探さなくていい。重なっているところと足りない円を見つけるために使う
- 足りない円を1つ選び、仕事で育てるか、仕事以外で満たすかを決めて、小さな行動につなげる

「好きなことや得意なことがわからなくて、円が埋まらない」という方は、LadyCarryの適職診断で今の自分の傾向をのぞいてみませんか?いくつかの質問に答えるだけで、あなたの強みや価値観、働き方の傾向から、向いている仕事の方向性を整理できます。
ikigai(生きがい)とは?4つの円の意味

ikigai(イキガイ)とは、「好きなこと」「得意なこと」「稼げること」「世の中に必要とされること」の4つの円の重なりで、仕事や生き方を考える整理のしかたです。日本語の「生きがい」がもとになっていて、海外でも「IKIGAI」として知られるようになりました。英語では、4つの円をWhat you love(好き)、What you are good at(得意)、What you can be paid for(稼げる)、What the world needs(世の中に必要とされる)と表します。この記事では、4つ目の円を「必要とされる」と短く呼びます。
4つの円と、円が重なるところの意味
ikigaiの図では、となり合う円が2つ重なるところに名前がついています。円が2つ重なるだけでも、その人にとって大切な場所になります。向かい合う円(好き×稼げる、得意×必要とされる)には名前がありませんが、重なっていれば同じように大切にしてかまいません。
| 重なる円 | 重なるところ | こんな状態 |
|---|---|---|
| 好き × 得意 | 情熱(Passion) | 楽しくて、人より上手にできる |
| 好き × 必要とされる | 使命(Mission) | 好きなことで、誰かの役に立てる |
| 必要とされる × 稼げる | 天職(Vocation) | 求められていて、仕事として成り立つ |
| 得意 × 稼げる | 専門性(Profession) | 得意なことで、収入を得られる |
4つの円が全部重なる真ん中が「ikigai」と呼ばれます。ただ、真ん中にぴったり当てはまる仕事は、すぐには見つからなくて当たり前です。
4つの円の図は、日本の「生きがい」とは少し違う
実は、4つの円の図は日本で生まれたものではなく、海外で広まった図です。もとになったのは「目的(purpose)」を4つの円で表した図で、その言葉を「ikigai」に置きかえて広まったとされています(Wikipedia「Ikigai」(英語))。
日本語の「生きがい」は、もっと個人的なもので、仕事に限らず、家族や趣味、日々の小さな楽しみの中にも感じられるものです。日本では、精神科医の神谷美恵子さんの著書『生きがいについて』のように、生きがいそのものを考えた本もあります。生きがいは仕事の中だけにあるものではない、と考えておくと、4つの円を書くときに気持ちが楽になります。
Will Can Mustとの違い
よく似た考え方に、「やりたいこと(Will)」「できること(Can)」「やるべきこと(Must)」の3つの円で考えるWill Can Mustがあります。Will Can Mustは今の仕事やキャリアの目標を考えるときに、ikigaiは仕事と人生全体のバランスを考えるときに使いやすい考え方です。
- 好き・得意・稼げる・必要とされる
- 仕事以外の生きがいも含めて考えやすい
- 「稼げる」と「必要とされる」を分けて考える
- やりたいこと・できること・やるべきこと
- 今の仕事やキャリアの目標を考えやすい
- 会社や周りから求められることを含めて考える
3つの円の具体的な書き方は、Will Can Mustの書き方と記入例で紹介しています。
ikigaiの4つの円の書き方|記入例つき

4つの円は、いきなり図に書き込まず、円ごとに質問に答えて書き出してから、重なりを探すと書きやすくなります。紙かスマホのメモを用意して、次の順番で進めましょう。
円ごとの質問と書き方
書きやすい円から始めて大丈夫です。それぞれの円に、3〜5個ずつ書き出すのが目安です。
「時間を忘れて夢中になったこと」「やっていて楽しいこと」を、仕事でもプライベートでも書き出します。
「よく頼まれること」「人より少ない力でできること」を書き出します。自分では当たり前だと思っていることも入れてみましょう。
今の仕事でお金をもらっていること、「お金を払ってでも頼みたい」と言われたことを書き出します。
「感謝されたこと」「放っておけないと感じること」「こんな人を助けたい」を書き出します。
4つの円を見比べて、2つ以上の円に出てきた言葉や、似ている言葉に印をつけます。
記入例|事務職・20代後半の場合
次の表は、書き方をイメージするための記入例です。完璧に埋める必要はなく、少しでも重なりが見つかれば十分です。
| 円 | 書き出したこと | 重なり |
|---|---|---|
| 好き | 人の話を聞くこと、資料をきれいにまとめること | 「まとめる」が得意の円にも出てくる |
| 得意 | 資料づくり、新人に仕事を教えること | 「教える」が必要とされる円にも出てくる |
| 稼げる | 事務の仕事(資料づくり・データ入力) | 「資料づくり」が得意の円にも出てくる |
| 必要とされる | 仕事に慣れない新人に教えること・助けること | 「教える」が得意の円にも出てくる |
この例では、「資料をまとめる」「人に教える」が2つ以上の円に出てきています。たとえば「新人向けのマニュアルをつくる仕事を増やす」のように、今の仕事の中で重なりを育てる方法が見えてきます。
書けない円があるときは
書けない円があっても、失敗ではありません。足りない円が、これから育てるヒントになります。好きな円が書けないときはやりたいことリストの作り方、得意な円が書けないときは自分の強みの見つけ方、必要とされる円が書けないときは人の役に立つ仕事の選び方を参考にしてください。
得意な円や好きな円がなかなか書けないときは、適職診断の結果を手がかりにするのも一つの方法です。強みや価値観の傾向を知ると、円に書く言葉が見つかりやすくなります。
生きがいの見つけ方|全部重ならなくていい、今育てる円を選ぶ4ステップ

ikigaiは、全部の円を一度に満たそうとするより、今いちばん育てたい円を1つ選ぶほうが、行動に移しやすくなります。次の4つのステップで、書き出した円をこれからの行動につなげましょう。
STEP1|重なっているところを確かめる
まずは、印をつけた言葉を見て、どの円とどの円が重なっているかを確かめましょう。「好き×得意」が重なっているなら情熱、「得意×稼げる」なら専門性のように、表の名前に当てはめると、今の自分の強みが見えてきます。表にない組み合わせ(得意×必要とされるなど)でも、重なりとして大切にしてかまいません。
STEP2|足りない円を1つ選ぶ
次に、ほとんど書けなかった円や、書いたけれど満たされていないと感じる円を確かめます。足りない円が2つ以上あるときは、「いちばん気になる円」を1つだけ選びましょう。
- 好き:仕事でもプライベートでも、楽しいと感じる時間が少ない
- 得意:自分の強みを聞かれても、すぐに答えられない
- 稼げる:今の収入に不安がある、または好きなことがお金につながっていない
- 必要とされる:誰の役に立っているのか、実感がない
| 足りない円 | 次に読む記事 |
|---|---|
| 好き | やりたいことを100個書き出す「やりたいことリストの作り方」 |
| 得意 | 強みを言葉にする「自分の強みの見つけ方」 |
| 稼げる | お金のための仕事と、やりたい仕事の分け方を考える「ライスワーク・ライフワークの選び方」 |
| 必要とされる | 自分に合う役に立ち方を知る「人の役に立つ仕事の選び方」 |
STEP3|仕事で育てるか、仕事以外で満たすかを決める
選んだ円を、仕事の中で育てるのか、仕事以外の時間で満たすのかを決めましょう。たとえば「好き」の円を選んだなら、今の仕事で好きな作業を増やすか、趣味の時間で満たすかを決めます。仕事の中で育てたい人は、自分に合った仕事の見つけ方も参考になります。
- 今の仕事で、得意なことを活かせる役割を増やす
- 社内の異動や新しい担当に手を挙げる
- 転職するときの軸に入れる
- 趣味や学びの時間で「好き」を満たす
- ボランティアや副業で「必要とされる」を感じる
- 家族や友人との時間を大切にする
仕事とプライベートの比重をどうするか迷ったら、ライスワーク・ライフワークの選び方も参考にしてください。
STEP4|1か月でできる小さな行動を決める
最後に、選んだ円を育てるために、1か月でできる小さな行動を1つ決めましょう。大きな目標より、すぐ始められることのほうが続きます。1か月たったら、もう一度4つの円を見直して、変化を確かめます。
| 育てる円 | 小さな行動の例 |
|---|---|
| 好き | 気になっていた習い事の体験に1回行く |
| 得意 | 得意なことを使う役割を、職場で1つ引き受ける |
| 稼げる | 得意なことを活かせる仕事の求人や、社内の役割・手当を1つ調べる |
| 必要とされる | 職場で困っている人の手伝いを1つ引き受ける |
「全部の円を満たさないと幸せになれない」と考えると、かえって苦しくなります。ikigaiは自分を責める道具ではなく、今の自分を知るための道具として使いましょう。
卒業生の例|ikigaiの円に当てはめると

LadyCarryの卒業生にも、自分にとっての生きがいを言葉にしていった人がいます。インタビューで話されていることを、ikigaiの4つの円に当てはめて紹介します。
Kさん|「得意なことで誰かの役に立てる人生」を言葉にした
新卒からSEとして働いていたKさんは、ITにどうしても興味が持てず、「働く=苦しいもの」と思い込んでいました。LadyCarryで自分の思考の癖と向き合うなかで、これからは「自分も満たされていて、自分の得意なことで誰かの役に立てる人生にしたい」と話すようになりました。
以前は、自分が何かを犠牲にしないと誰かを満たせないと思っていたというKさん。学生支援の仕事を中心に転職活動を進めましたが、選考が進むなかで、また自己犠牲的な頑張り方に向かっていると気づき、「自分が楽でいられるか、無理をしないか、等身大の自分でいられるかで選びたい」と考えて、辞退を決めました。Kさんの例は、「得意」と「必要とされる」の円を重ねたいと考えながら、「自分も満たされる」ことも手放さなかった例に当たります。
Kさんが本音で働けるようになるまでの変化は、インタビュー記事で詳しく紹介しています。

Mさん|漠然とした「人の役に立ちたい」を具体的にした
結婚を機に仕事を辞めて約2年のブランクがあったMさんは、受講前、「何をしたいのか、どう生きたいのかもまったくわからない状態」だったといいます。前職では、牧場の紹介記事を書いたり、製品のチラシを作ったりしたことがあり、構成を考えるのも楽しかったそうです。
自己分析を通して、漠然と「人の役に立ちたい」と思っていた気持ちが、「誰かが頑張って作っているものや、好きなことを世の中に広めたい」と少し具体的になり、広報という仕事にも関心を持つようになりました。Mさんの例は、「好き」の円(記事やチラシづくり)と「必要とされる」の円を具体的にしていくことで、重なりが見えてきた例に当たります。
Mさんがブランクから働く自信を取り戻すまでの歩みは、インタビュー記事で詳しく紹介しています。

一人で円を書きにくいときは

好きなことや得意なことは、自分では当たり前すぎて、一人だと言葉にしにくいものです。これまでの経験を振り返ったり、人から質問されたりすることで、円に書く言葉が見つかることもあります。
LadyCarryのコーチングでは、生まれてから今までを振り返り、充実していた時期や落ち込んでいた時期、ターニングポイントになった出来事を書き出して、自分が大切にしてきた価値観を見つける「人生分析」というワークを行っています。受講生の卒業時アンケートでは、満足度の高かったカリキュラムの1位が「人生分析」(149票)でした。
※LadyCarry受講生 卒業時アンケート調査(2025年7月〜2026年9月/実人数242名)。満足度の高かったカリキュラムを問う設問(複数選択)の集計結果(「人生分析」149票)
その入り口として、LadyCarryでは、自己理解をこれからの選択につなげる考え方を学べる無料オンラインセミナーを開いています。「4つの円を書いてみたけれど、ここからどう仕事につなげればいいかわからない」という方が、自分の強みや大切にしたいことを整理したいときにおすすめです。
- 画面オフ・マイクオフで参加できる:自宅から周りを気にせず、リラックスして聞けます
- 自分軸を見つける自己分析のコツ:今のモヤモヤを分けて、自分の判断基準を組み立てる考え方を学べます
- オリジナルワークシートつき:セミナーのあとも、自分のペースで考えを進められます
「やりたいことがまだ決まっていない」という段階でも大丈夫です。実際に、LadyCarryの1対1の個別相談に申し込んだ方の約43%は、まだ求人に応募もしていない“モヤモヤ段階”からのスタートでした。受講後の担当コーチへの満足度は99.6%です。
※LadyCarry 個別相談(無料カウンセリング・パーソナルセッション)申込フォームより集計(2025年2月〜2026年9月/実人数4,108名)、LadyCarry受講生 卒業時アンケート調査(2025年7月〜2026年9月/実人数242名)。担当コーチの満足度は「5:大変満足」「4:満足」と回答した割合
4つの円で見えたことを、これからの働き方につなげたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

まとめ|ikigaiは「今育てる円」を選ぶために使おう

ikigaiは、4つの円が全部重なる仕事を探すためではなく、今の自分に足りている円と、育てたい円を知るために使うと役立ちます。
- 円ごとに3〜5個書き出し、2つ以上の円に出てくる言葉に印をつける
- 足りない円を1つ選び、仕事で育てるか、仕事以外で満たすかを決める
- 1か月でできる小さな行動を決めて、もう一度円を見直す
生きがいは、仕事の中だけにあるものではありません。まずは書きやすい円に、3つ書き出すところから始めましょう。
ikigai(生きがい)に関するよくある質問
- ikigaiの4つの円が全部重なる仕事が見つかりません。
-
見つからなくて当たり前です。4つの円は、全部が重なる仕事を探すためより、重なっているところと足りない円を知るために使うと役立ちます。足りない円は、仕事以外の時間で満たしてもかまいません。
- 生きがいは仕事でなくてもいいですか?
-
仕事でなくても大丈夫です。日本語の「生きがい」は、家族や趣味、日々の楽しみの中にも感じられるものです。仕事は「稼げる」「得意」の円を中心に、「好き」は趣味で満たすといった分け方もできます。
- ikigaiとWill Can Mustは、どちらを使えばいいですか?
-
今の仕事やキャリアの目標を考えたいならWill Can Must、仕事以外も含めた生き方のバランスを考えたいならikigaiが使いやすい考え方です。両方を書いてみて、重なる言葉を探すのもおすすめです。
- 好きなことや得意なことが書けません。
-
まずは「時間を忘れたこと」「人からよく頼まれること」など、小さなことから書き出してみましょう。それでも書けないときは、友人や同僚に聞いたり、適職診断の結果を手がかりにしたりすると、言葉が見つかりやすくなります。
キャリアコーチ・キャリアアドバイザー。LadyCarry認定コーチ。これまでに300人以上のキャリア相談に携わる。Gallup認定ストレングスコーチの資格を保有し、強みを活かしたコーチングにも従事。20〜30代女性が「自分らしさを仕事に変える」ための支援に特化。


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