「上司が決めてくれないから、仕事が前に進まない」「丸投げされて、責任だけこちらに来る」「この人の下で働いていて、私は成長できるのかな」。そんなふうに、上司にがっかりしていませんか?
上司が仕事できない・尊敬できないと感じたら、上司を変えようとするより、失望の中身を分けて、上司に求めることと上司以外から得ることを線引きするのが近道です。
この記事では、上司への失望を5つのタイプに分けるセルフチェック、タイプ別の付き合い方、自分の評価と成長を守る4ステップ、異動・転職を考える目安を、LadyCarry卒業生の例とあわせて紹介します。
- 上司への失望は、決めない・丸投げする・責任を取らない・方針がぶれる・部下を見ていない、の5つに分けて考える
- 上司に求めることと上司以外から得ることを線引きし、タイプに合わせて自分の動き方を変える
- やりとりの記録・上司以外の相談相手・身近なお手本で自分を守り、異動・転職を考える目安を決めておく

「この上司の下で頑張り続けるより、自分に合う環境を考えたい」という方は、LadyCarryの適職診断で今の自分の傾向をのぞいてみませんか?いくつかの質問に答えるだけで、あなたの強みや価値観、働き方の傾向から、向いている仕事の方向性を整理できます。
上司が仕事できないと感じるのはわがまま?まず失望の中身を分けよう

上司が仕事できない・尊敬できないと感じるのは、わがままではありません。上司のやり方が、自分の仕事の進めやすさや成長に影響しているサインです。ただ、「仕事できない」の中身は人によって違います。何に失望しているのかを分けると、できる対処が見えてきます。
「上司ガチャに外れた」と感じても、上司は自分では選べません。だからこそ、上司を変えようとするより、自分にできることに目を向けましょう。
「上司と合わない」と「上司に失望している」は違う
性格や話し方が合わない「相性」の悩みと、上司の仕事ぶりへの「失望」は、似ているようで対処が違います。相性の悩みは距離の置き方で、失望は「上司に頼らずに仕事と成長を守る工夫」でラクになります。性格や態度が合わないつらさが大きい方は、上司と合わないときの原因の見分け方も読んでみてください。
えこひいきや陰口など、人として尊敬できない言動に幻滅している場合は、「この人のやり方はお手本にしない」と決めて、その振る舞いからは距離を置きましょう。そのうえで、仕事の進め方への失望は、次の5つのタイプで整理できます。
上司への失望は5つのタイプに分けられる
上司に「仕事できない」と感じる場面は、大きく次の5つに分けられます。どのタイプかによって、自分の動き方の変え方が違います。
| 失望のタイプ | たとえば |
|---|---|
| 決めない | 判断を先送りにする、相談しても「様子を見よう」で終わる |
| 丸投げする | 仕事の目的や期限を伝えずに任せる、困ったときに手伝ってくれない |
| 責任を取らない | うまくいかないと部下のせいにする、上司の上司(さらに上の人)には何も言わない |
| 方針がぶれる | 言うことが日によって変わる、決めたことがすぐひっくり返る |
| 部下を見ていない | 相談しても突き放す、話を聞かない、評価の理由を説明しない |
なかでも、責任を取らない・方針がぶれる上司は、「信頼できない」と感じやすいタイプです。
セルフチェック|あなたの上司はどのタイプ?

上司のタイプがわかると、何を上司に求めて、何を上司以外から得るかを決めやすくなります。当てはまるものにチェックを入れて、一番多かったタイプを確かめましょう。
- A:相談しても「ちょっと考えておく」と言ったまま、返事が来ない
- A:自分では決めずに、上司の上司の顔色を見て判断している
- B:「いい感じにやっておいて」と、目的や期限があいまいなまま任される
- B:困って相談しても、「任せたから」と手伝ってもらえない
- C:ミスが起きると、上司の指示だったことも部下のせいになる
- C:上司の上司や他部署に、言うべきことを言ってくれない
- D:先週と今週で、言っていることが違う
- D:決まったはずの方針が、上司の上司の一言でひっくり返る
- E:キャリアの相談をしても「自分で考えて」と突き放される
- E:頑張っても、何を評価されているのかがわからない
Aが多いなら、あなたの上司は「決めない上司」、Bなら「丸投げする上司」、Cなら「責任を取らない上司」、Dなら「方針がぶれる上司」、Eなら「部下を見ていない上司」に近いタイプです。2つ以上のタイプが同じ数のときは、いちばん困っている場面に近いタイプから読みましょう。
| 多かったタイプ | 次に読むところ |
|---|---|
| 決めない上司(A) | 次の章の「タイプ別の動き方」で、選択肢を用意して確認する方法を読みましょう |
| 丸投げする上司(B) | 次の章の「タイプ別の動き方」で、目的と期限の確かめ方を読みましょう |
| 責任を取らない上司(C) | 次の章の「タイプ別の動き方」を読み、あわせて4ステップのSTEP1で記録のしかたを確かめましょう |
| 方針がぶれる上司(D) | 次の章の「タイプ別の動き方」で、決まったことの残し方を読みましょう |
| 部下を見ていない上司(E) | 次の章の「タイプ別の動き方」を読み、あわせて4ステップのSTEP2・STEP3で、上司以外の相談相手と身近なお手本の見つけ方を確かめましょう |
上司に求めること・上司以外から得ることの線引き

上司が仕事できないと感じたときは、上司を変えようとするより、上司に求めることと上司以外から得ることを線引きするほうが、気持ちも仕事もラクになります。そのうえで、上司のタイプに合わせて自分の動き方を少し変えてみましょう。
上司に求めること・上司以外から得ることを分ける
上司に求めるのは、承認や判断など「上司にしかできないこと」に絞りましょう。指導やフォロー、キャリアの相談までを一人の上司に求めると、期待が外れるたびにがっかりしてしまいます。判断や調整は上司の役割なので、手放す必要はありません。ただ、返事を待つのではなく、こちらから引き出す工夫をします(下のタイプ別の動き方で紹介します)。
- 仕事の承認や、最終的な判断
- 他部署や上司の上司との調整
- 自分の評価を決めるための情報(何を見ているか)
- 仕事の進め方の細かい指導
- キャリアの悩みの相談
- 尊敬できるお手本
上司以外から得ることは、先輩や他部署の人、社外の人に頼る方法があります。くわしくは、このあとの4ステップで紹介します。仕事の進め方そのものを教えてもらえずに困っている方は、仕事を教えてもらえないときの教わり方も参考にしてください。
仕事しない(丸投げする)・決めない上司など、タイプ別の動き方
上司のタイプに合わせて、自分から確認する・残すことを増やすと、振り回される場面を減らせます。
| 上司のタイプ | 自分の動き方 |
|---|---|
| 決めない上司 | 「AとBなら、どちらで進めますか」と選択肢を2つ用意し、「◯日までに決めていただけますか」と返事の期限も添えて確認する |
| 丸投げする上司 | 引き受けるときに、目的・期限・どこまでやるかを一言ずつ確認する |
| 責任を取らない上司 | 指示や決まったことを、メールやチャットで残しておく。他部署への説明が必要なときは「◯◯部にこの点を伝えていただけますか」と、頼むことを具体的に伝える |
| 方針がぶれる上司 | 打ち合わせのあとに「今日決まったこと」を短く送り、変わったときに見返せるようにする |
| 部下を見ていない上司 | 報告の頻度を自分から決め、成果を短くまとめて伝える。面談では「次の評価では何を見ていますか」と聞いておく |
暴言や人格を否定する言動、無理な仕事の押しつけなどがあるときは、「仕事できない」の範囲を超えてハラスメントにあたる可能性があります。一人で抱え込まず、社内の相談窓口に相談しましょう。ハラスメントについては、厚生労働省の「あかるい職場応援団」でも情報を確かめられます。
上司のしわ寄せで仕事が増えてつらい方は、仕事がキャパオーバーのときの原因と減らし方も参考にしてください。
上司に振り回されずに、自分の評価と成長を守る4ステップ

上司に頼れないときは、記録する→上司以外の相談相手を持つ→社内に身近なお手本を見つける→異動・転職を考える目安を決める、の4ステップで、自分の評価と成長を守りましょう。
STEP1|やりとりと成果を記録する
上司の指示や決まったこと、自分がやった仕事と成果を、日付つきで短く記録しておきましょう。責任の押しつけから自分を守れるだけでなく、評価の面談や異動の相談、転職活動で自分の実績を説明するときにも役立ちます。
- 指示と決まったこと:「いつ・誰から・何を頼まれたか」「打ち合わせで何が決まったか」
- やった仕事と成果:週に1回、数字や周りの反応などを3行ほどで
- 工夫したこと:上司が決めない中で自分が判断したことや、調整したこと(自分の強みに気づく手がかりになります)
STEP2|上司以外の相談相手を持つ
仕事の進め方は先輩や他部署の人、キャリアの悩みは社外の人と、相談相手を分けて持つと、上司一人に頼らずにすみます。たとえば、段取りは同じチームの先輩に、評価の基準はまず上司に確かめ、それでもわからないところは人事の面談で、これからのキャリアは社外の人や専門家に聞く、のように分けると相談しやすくなります。
STEP3|社内に身近なお手本を見つける
上司を尊敬できなくても、「この人の段取りは真似したい」「この人の話し方は参考になる」という人は社内にいるかもしれません。一人を完璧なお手本にせず、部分ごとにお手本を見つけると、上司の下でも成長の手がかりを増やせます。考え方はロールモデルの見つけ方と「部分ロールモデル」の考え方で紹介しています。
STEP4|異動・転職を考える目安を決めておく
どんな状態になったら異動や転職を考えるのかを先に決め、「3か月後に見直す」のように見直す日も決めておくと、我慢し続けることも、勢いで辞めることも防げます。判断の基準は、次の章の「様子を見るか、動くか」のチェックを使いましょう。
「上司のことだけでなく、そもそも今の仕事が自分に合っているのか知りたい」と感じたら、次の働き方を考える手がかりとして、診断で自分の傾向を確かめてみるのもひとつの方法です。
異動・転職を考える目安|今の職場で様子を見るか、動くか

上司への失望が、自分の評価や成長の機会にまで影響しているなら、異動や転職を考えるタイミングです。次の2つを比べて、今の自分がどちらに近いかを確かめましょう。
- 線引きや記録で、仕事が回るようになってきた
- 上司以外に、相談できる人や身近なお手本がいる
- 上司の異動など、環境が変わる見込みがある
- 工夫しても、評価や成長の機会が奪われ続けている
- 上司のしわ寄せで、仕事量や責任ばかりが増えている
- 出社前に気が重い日が続き、心身の調子にも影響している
心身の調子に影響が出ているときは、どちらを選ぶにしても、まず休むことや、会社の産業医・社内の相談窓口、医療機関に相談することを優先しましょう。
ここからは、4ステップとは別に、動くと決めたあとの順番です。次の順番で考えると焦らずに選べます。順番は一例なので、配属や体制など社内で変わる見込みがないときは、転職を先に考えてもかまいません。
人事や上司の上司に、仕事の進め方や評価について、記録をもとに事実で相談します。
それでも変わらなければ、社内の異動や社内公募で、上司が変わる部署を目指します。
社内で難しければ、次の職場の上司や環境を確かめながら、転職を考えます。
異動の伝え方は異動したいときの伝え方と社内公募の進め方、続けるか転職するかの決め方は転職したいけど迷うときの決め方で紹介しています。次の職場選びで同じことをくり返さないためには、転職の軸の決め方も参考になります。
卒業生の例|上司に頼れない環境から、自分の道を選び直した2人

ここでは、LadyMapを運営する女性向けキャリアコーチング「LadyCarry」の卒業生から、上司との関係に悩んでいた2人の例を紹介します。2人とも、上司を変えようとするのではなく、自分の強みや大切にしたいことを整理したうえで、転職に向けて動き出しています。
Uさん|相談しても「自分で考えて」と突き放され、キャリアが見えなかった
古い体制の企業で働いていたUさんは、キャリアパスが見えず、上司に相談しても「自分で考えて」と突き放されてしまうことがありました。出社するのが憂鬱な日が続き、自分の市場価値がわからないことにも不安を感じていました。
LadyCarryの無料カウンセリングでは、職場の人や家族には話しにくい本音も、第三者だからこそ安心して話せたといいます。受講後は、幼少期までさかのぼる「人生分析」で自分の強みや価値観を見つめ直し、キャリアアップが望めるFintech業界(金融とITを組み合わせた分野)のコンサルティング職に転職しました。
これは、上司が「部下を見ていない」タイプのときに、STEP2のように上司以外の相談相手を持ち、そのうえで成長できる環境を選び直した例です。出社するのが憂鬱な日が続いていたことは、「異動・転職を考えたいとき」の状態にも当てはまっていました。
Uさんが転職を決めるまでの流れは、インタビュー記事で詳しく紹介しています。

Sさん|話を聞いてもらえない上司と、苦手な業務への配属が重なった
事務職として働いていたSさんは、上司が変わってから部下の話に耳を傾けてもらえず、関係を築けなかったことが大きなストレスでした。そんななか、苦手だと伝えていたコールセンター業務への配属が決まり、「いよいよ限界だ」と感じて転職を決意します。
LadyCarryの「キャリア分析」では、自分には何もないと思っていたのに、多くのポータブルスキル(職種が変わっても活かせる力)を持っていたことに気づき、自信につながったといいます。自分の得意なことや苦手なことを言葉にできたことで、面接でも具体例を挙げて話せるようになりました。
これは、上司が「部下を見ていない」タイプだったうえに配属という環境の変化が重なり、「いよいよ限界だ」と感じたときに、自分の強みを整理してから動いた例です。
Sさんが自分の強みに気づくまでの流れは、インタビュー記事で詳しく紹介しています。

上司のことを一人で抱え込んでしまうときは

上司への不満は、職場の人には話しにくく、一人で抱え込みがちです。そんなときは、自分が大切にしたい働き方を整理する考え方を知ると、「我慢するか、辞めるか」以外の選び方が見えやすくなります。
LadyCarryのコーチングでは、自分が大切にしたいことを言葉にして、判断の基準にしていくことを大切にしています。コーチング受講生の卒業時アンケートでは、91.7%(242名中222名)が、「理想の実現のための行動が明確になった」「自分軸で判断し行動できているイメージを持つことができている」のいずれかを選んでいます。
※LadyCarry受講生 卒業時アンケート調査(2025年7月〜2026年9月/実人数242名)。「卒業時の状態」を問う設問で「理想の実現のための行動が明確になった」「自分軸で判断し行動できているイメージを持つことができている」のいずれかを選んだ受講生の割合
その入り口として、LadyCarryでは、自己理解をこれからの選択につなげる考え方を学べる無料オンラインセミナーを開いています。「上司に振り回されず、自分のキャリアを自分で選びたい」という方が、自分の強みや大切にしたい条件を整理したいときにおすすめです。
- 画面オフ・マイクオフで参加できる:自宅から周りを気にせず、リラックスして聞けます
- 自分軸を見つける自己分析のコツ:今のモヤモヤを分けて、自分の判断基準を組み立てる考え方を学べます
- オリジナルワークシートつき:セミナーのあとも、自分のペースで考えを進められます
「やりたいことがまだ決まっていない」という段階でも大丈夫です。実際に、LadyCarryの1対1の個別相談に申し込んだ方の約43%は、まだ求人に応募もしていない“モヤモヤ段階”からのスタートでした。受講後の担当コーチへの満足度は99.6%です。
※LadyCarry 個別相談(無料カウンセリング・パーソナルセッション)申込フォームより集計(2025年2月〜2026年9月/実人数4,108名)、LadyCarry受講生 卒業時アンケート調査(2025年7月〜2026年9月/実人数242名)。担当コーチの満足度は「5:大変満足」「4:満足」と回答した割合
上司のことに限らず、仕事の悩みを整理する方法を知りたい方は、まとめ記事も読んでみてください。

まとめ|上司が仕事できないときは、期待を線引きして自分を守ろう

上司が仕事できない・尊敬できないと感じるのは、わがままではありません。
決めない・丸投げする・責任を取らない・方針がぶれる・部下を見ていない、のどれに失望しているのかを分けて、上司に求めることと上司以外から得ることを線引きしましょう。記録・相談相手・身近なお手本で自分の評価と成長を守り、動く目安を決めておけば、我慢し続けることも、勢いで辞めることも防げます。
上司は選べなくても、成長の手がかりは自分で増やせます。
上司に怒られることが多くてつらい方は、仕事で怒られてばかりのときの原因の見分け方もあわせて読んでみてください。
上司が仕事できないときによくある質問
- 上司ガチャに外れたと感じたら、我慢するしかないですか?
-
我慢するしかないわけではありません。失望の中身を分けて、上司に求めることと上司以外から得ることを線引きし、記録や上司以外の相談相手で自分の評価と成長を守る方法があります。それでも状況が変わらないときは、異動や社内公募で上司が変わる部署を目指したり、転職を考えたりする道もあります。
- 仕事しない上司の分まで、仕事が回ってきてつらいです。
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引き受けるときに目的・期限・どこまでやるかを確認し、やった仕事と成果を記録しておきましょう。仕事量が増え続けるときは、記録をもとに人事や上司の上司に相談すると、具体的に伝えやすくなります。
- 尊敬できない上司の下でも成長できますか?
-
上司を尊敬できなくても、成長の手がかりは増やせます。上司一人をお手本にするのではなく、段取りはこの先輩、話し方はこの人、のように部分ごとに身近なお手本を見つけてみましょう。記録で自分の成果を振り返ることも、成長を実感する助けになります。
- 上司のことを人事に相談してもいいですか?
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相談してかまいません。「上司が嫌い」ではなく、「判断が遅れて仕事が止まっている」のように、仕事への影響を事実で伝えると話が進みやすくなります。暴言など、ハラスメントにあたる可能性があるときは、社内の相談窓口も使いましょう。
キャリアコーチ・キャリアアドバイザー。LadyCarry認定コーチ。これまでに300人以上のキャリア相談に携わる。Gallup認定ストレングスコーチの資格を保有し、強みを活かしたコーチングにも従事。20〜30代女性が「自分らしさを仕事に変える」ための支援に特化。


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